お や つ の 時 間

２４．妙に鋭い勘について ページ24

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「 はあ 」

レコーディングから帰ってきて自分の部屋のドアが閉まると一人の空間に安心してひとつため息を落とす。年末年始が今後怖くなるほどずっと忙しかった。やっと仕事が落ち着いて宿舎にいる時間が増えた。今は外にも出られないし別に会う友達もいないからネットに引き篭もるだけ。

最近は何だか心が疲れてる気がする。自分も理解が出来ないよく分からない倦怠感、シズニ達がペンライトを振って応援してくれている声も好意の視線も今はあの空間には見えなくてたまに練習室で泣きそうになってしまう。この職業で何よりもファンの存在が一番であるのに会うことができないから本当にそろそろ疲れてきたんだと心配をしてくれたドヨンくんに言ったら同じことを思っていたみたいで少し安心したけど。

「 (ニャー) 」

カトクの通知音が聞こえてバッグに入れていたスマホを取り出すとヘチャンからだった。内容は夜食とゲームのお誘いでゲームが終わったら僕の部屋でチキン食べたいらしい。その返事に適当にスタンプを送りパソコンをつけてゲームに入れば二時間が経ちヘチャンの部屋に行く途中でソンガンさんから返事が来ていることに気が付いた。



この間マネージャーさんが私がソンガンさんを好きだということを知ってしまい、知り合いのソンガンさんのマネージャーさんと連絡を取りどうにか接点ができるように某有名の雑誌に依頼したらしい。今話題の俳優と紅一点のアイドルである私が一緒に撮るとなると売れると思ったからだろう。

好きな事は誰にも知られたくなかったのに。マネージャーさんはすごく嬉しそうに乗り気で連絡をしてたなあ。好きな人と一緒に撮影なんて、と思っていたら唯一仲良いメイクオンニにすぐ気づかれてた。ソンガンさんが好きなのねって。私がこんな顔をするのは久しぶりに見たよーとか言ってたし。ソンガンさんとは撮影の空き時間に色んなことを話した。私は昔からメンバー以外の人と積極的に話すということは今になってもしてきていなかったから凄く照れくさくて何を話せばいいのか分からなくて困っていたけどソンガンさんはそうでもないようだった。私にはあの優しい声が脳に響いておかしくなるかと思ったのに。

「 ねえ好きな人できた？ 」

それからは連絡先を交換するほど仲良くなり今でもかなり話している。一応まだソンガンさんと一緒にお仕事したことはまだメンバー達にも言ってないのにヘチャンは妙に勘が鋭い。






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