谷地家の病弱少女は、人間と吸血鬼のハーフ！？ (ページ12)

今日:9 hit、昨日:34 hit、合計:20,692 hit

十話ページ12

練習が終わり、皆で坂の下に向かう。なんか、主将の後ろから坊主頭の人とツンツン髪の人がじろじろ見てくる。

『(こ、怖い…すっごい見てくる…)』

それに気づいた月島君が背後に立ってその視線をブロックしてくれた。

『あ、ありがとう…』

月『あの人達は大丈夫。と言うより、バレー部全員大丈夫だよ。』

と言っても、全員を信じるなんて無理。怖すぎる。すると、オレンジ色の髪の人が肉まんを差し出してきた。

？「谷地さんの妹なんだよね？！俺、日向翔陽！！宜しく！！」

『え…っと…谷地 A…です…』

日向翔陽と名乗った少年は、また何処かに言ってしまった。

『月島君…これ…食べてくれても…いいんだから…』

半分差し出すと快く受け取ってくれた。食べ終わると、手を引き帰るよと言った。

月「お腹空いたんでしょ？お腹いっぱいにしてあげるよ。」

でも、月島君の血をこれ以上抜いたら倒れてしまう…でも…

『お腹いっぱい…食べたい…』

月夜に照らされる月島君は、綺麗なのに私は、汚らわしい…

手の平を差し出すと「食べて？」と言った月島君。誰もいない事を確認すると遠慮なくがぶりと食いついた。

『(美味しいのに…食べたくない…)』

月「いい…いいんだよ…。」

頭を撫でてくれる優しい人間。こんな人、お母さんくらいだった。

『お母…さぁん…』

会いたいの、お母さん。私、独りぼっちは嫌だよ…