鈍い感覚の＿ 2 ページ13
両手で構えた銃を放った。
パン、と乾いた音がする。
その顔を敦は、既に知っていた。
『…………』
真っ白な長い長い髪。整いすぎた顔立ち。
そして今や朝焼けなど知らぬと言いたげな血のような赤。
『あーあ…殺しちゃった』
陶器人形のような顔から、歪な笑顔を浮かべた。
泣きそうな顔をしたあの顔で。
国木田はそれよりも花袋が打たれたことに気づき、直様布団を捲る。そこには血飛沫が。
「なんで、」
国木田は敦の声が聞こえた。それは花袋が殺されたことに対する動揺だと思った。でも
「Aさん、が………？」
その名前を唐突に思い出してしまった。
国木田にとって、Aという人物は酷くあいまいな認識である。ただ明らかに普通の＿＿普通からすこしかけ離れた美しすぎる容貌を持つ少女だと思っていた。
敦と先に出会い、ヨコハマを観光しに来たという露西亜人。
国木田たちが異能の暴走を太宰によって止められた敦を見に来た時、すでに姿を消していた。
普通に暮らしているものだと思い込んでいた。自分たちとは違い異能とは縁遠いところに生まれている。そう判断するしか要素がない。
ただあの時に一瞬、虎探しにAも参加させられているとき、国木田の万年筆をじーっと見つめていた。その視線に国木田が気付いたのは、明らかに年不相当な振る舞い。
「それは何？」とか「どこで買ったの？」とは問わずに、ただ相手の動きを観察している。自分から質問することはなく、幼児のように未知なるものを見ているのだ。
人間として、大人としての欠如。
なんとなくそう感じた。
そして敦の話を聞いて酷く合点がいった。
あれは、
「通常社会から引き離された異常者」、「幼いころから殺す側としての感性を発達させたモノ」
だったのだ。
「十中八九、Aは『死の家の鼠』の構成員とみて間違いない」
「ドストエフスキーの間者としてヨコハマに送り込まれたんだろう」
『死の家の鼠』の印を調査させた花袋を消しに来たのだから間違いない。
国木田の横で敦は呆然としていた。
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zatudan0210(プロフ) - たくさんコメントありがとうございます！！文ストというアクション系の漫画に出させる以上どこかで史実とは違う面を取り得ないとなぁと考えていたのだ戦闘okなキャラクターにしました！登場人物５９９人とかエグいですね…人の名前覚えられる気がしない…！！！（戦慄） (2022年4月25日 5時) (
レス) @page19 id: 5beacd8e17 (このIDを非表示/違反報告)
きり - あっ、ちなみに女性名「レナータ」の理由は、「レフ」は獅子を意味する名なので、女性名には同意のものが存在しなかったからです。レナータは「復活」という意味があり、トルストイ氏の代表作の1つと同じです。また、レナータの愛称はレーニャだからです。（隙自語） (2022年4月25日 3時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
きり - 史実のトルストイ氏は反政府主義者で影響力も半端ない人だったので、こういう戦闘OKなキャラにされるとは驚きました。 「戦争と平和」とか凄いですよね。登場人物559人ですよ？！ とんでもないお方ですよね。演技とか上手そうです。面白いです！更新頑張って下さい！ (2022年4月25日 3時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
きり - 私もトルストイ氏が文ストにでて欲しいと思っていたので、この作品を見つけたときはすごく嬉しかったです！！ 昔妄想してたのは、本名は「レナータ・ニコラエヴナ・トルスタヤ」という女の子だったが、外部には男性名を使っている女の子とかですw (2022年4月25日 2時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
zatudan0210(プロフ) - うゆさん» コメントありがとうございます！！！励みになります！！がんばります！！！ (2021年10月20日 7時) (レス) id: 5beacd8e17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日影福々 x他1人 | 作成日時：2021年5月22日 22時
