入社試験1 ページ9
今日は、どうやら武装探偵社恒例の入社試験があるらしい。
犯人役に命じられた谷崎は、入社試験会場である武装探偵社へ向かう途中であった。
空は快晴であるが、谷崎の心は打って変わって曇天の様子。
理由はその“入社試験”にあった。
(人質役にナオミが来れなくなったって連絡来たけど、誰に代役を頼もう。なるべくナオミに嫉妬…基、許してもらえる人にしないと。うーーん。)
人選に迷う谷崎の曇天の心に晴れ間が見える。
(ーーーお?あの目立つミルクティー色の髪は…)
「Aちゃーん」
Aに小走りで近づいた谷崎の声は、街中だったが簡単に本人に届いた。
「あれ、谷崎くん。どうしたの?」
振り向いたAは立ち止まり、走って近づいてくる谷崎を待つ。
「いやー、お願いがあってさ」
谷崎はそう話し始め、彼女への頼み事を説明。
新入社員の入社試験の犯人役と人質役を頼まれたが、妹のナオミは急遽学校からの呼び出しがあり来れなくなってしまった事。そのため代役を探していた所で丁度Aを見つけ声をかけた事。しかし、代役にナオミの許可が降りそうな人材でないと、後から自分がめちゃくちゃにされてしまうためそれを恐れている事。
勿論、最後の事はAには説明していない。
(ナオミはAちゃんの事大好きだからか、2人だけで仕事してきてもそんなに過剰反応しないんだよな。まぁ過剰でないだけで、反応はするけど。
もしナオミが人質役をやったら、その後『悪いお兄様も素敵でしたぁ。帰ったら続きをして下さいますね?』なんて言って耳元に息でも吹きかけてくるだろうなぁ)
谷崎は考え事が尽きないようだ。
Aは、彼の説明を聞いて快く受け入れた。
「私でよければ引き受けるよ。ナオミちゃん学校忙しいんだね、大変だぁ」
「良かったー。ありがとう、Aちゃん。まぁそんなに長引かなければすぐ探偵社に来るって言ってたから、会えるとは思うよ。」
10分程歩き、2人は探偵社の扉の前に。
谷崎がガチャリとドアノブを回し、2人とも中へ入る。
「谷崎さん、お帰りなさい。あら?Aさん!
ナオミちゃんは一緒じゃないんですか?」
谷崎に声をかけたのは春野。彼女は両手に小道具の爆弾を抱えている。
「綺羅子さんっこんにちはー!」
元気よく挨拶するA。
谷崎は帰宅の挨拶の後に、先程Aにした説明をもう一度するのだった。
121人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます! (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かんぷ | 作成日時:2023年10月10日 1時