喫茶処4 ページ5
何の冗談?と言わんばかりの表情のAは、自分を抱きしめる太宰の顔を見るために振り向く。
太宰は満面の笑みだ。そして、頷けという圧を送っている。
彼女は圧を正確に感じ取り、コクコクと首を縦に2回降った。
それを見て店員は残念そうにして店の奥へ消える。
「さて、私達も行こうか。」
太宰はAから離れて言う。彼女は、はいと返事をして後を追った。
店を後にした2人は、探偵社への道を歩く。
「太宰さんのせいで使えそうな人逃した。」
Aは口を少し尖らせてムッとしている
「知らない男に色目使って!そんな風に育てた覚えはありません!」
「お母さんか!」
太宰の女っぽい口調に思わず突っ込む。
「君だって私の心中を邪魔したじゃないか」
「いや、心中は邪魔してないと思います。てかあれは私の異能をわざと解いた太宰さんが悪くない??ーーーーあれ?」
Aは目の前に広がる人混みの少し先を見ていた。
その目には、黄み掛かった髪を後ろでスッキリと纏めた後ろ姿が映っていた。
「国木田さーーん!!」
Aは一生懸命背伸びして手をブンブンと振る。
太宰は隣でブンブンと手を振る彼女を横目で見て、両脇に後ろから手を入れた。
「えっなにっ!ちょっと太宰さん!?」
Aの言葉を無視して太宰は、彼女を持ち上げた。
「ほら、高いたかーい!」
「ぎゃあ!あんたはお父さんか!おろして!」
「軽っ。こんなに軽いんじゃ私が攫って行ってしまうよ?」
こんな馬鹿騒ぎしていたら嫌でも気づくだろう。国木田がズンズンとこちらへ近づいてくる。
「ゴラァ!太宰ィ!!Aが嫌がってるだろうが!」
「くにきーだくんじゃあないか。面倒くさい事になる前にっと。」
太宰はAを地面に下ろした。
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かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます! (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんぷ | 作成日時:2023年10月10日 1時