喫茶処 3 ページ4
「入水する前に、両足を縛って縄の先にコンクリートブロックをくくりつけるというのはどうですか?そのまま入水すれば一生水面から顔を出せなくなります」
ヘラっと笑う太宰に負けず劣らずヘラっと笑うA。
「ーーーうん。君はヤクザか何かかな?」
「えー駄目ですか?結構いい案だと思ったんだけどなぁ。
でーもー。太宰さんが死んだら私も死ぬんで。なので心中するなら私とにしてくださいね?前から言ってますけどっ」
Aはカップに残っていたココアを飲み干して可愛い笑顔。
対する太宰は何も言わずフッと笑った。そしてトイレに行くと言って席を立つ。
(ーーさて。そろそろ探偵社に行かないとだなぁ。乱歩さんに頼まれてた物渡さないと。どうせ太宰さんも探偵社に戻るんだろうし一緒に行くか)
そんな事を考えるAに声をかける人物が。先程飲み物を運んできた店員である。
店員は小さな声で
「すみません、お客様。」
彼女は声のする方を見上げ、ミルクティー色の猫っ毛を邪魔そうに耳にかける。
「あの、とても可愛らしい方だったのでつい声をかけてしまったのですが、、よければ連絡先交換して頂けませんか?」
「わぁ、そんな褒めてもらえて嬉しいですっ。さっき飲み物届けてくれたお兄さんですよね?すごく凛として素敵だなぁって思ってたの!連絡先の前にお兄さんのお名前教えてくれませんか?貴方の事よく知りたいなぁ」
Aは上目遣いで彼を見つめる。店員は彼女から目が離せない、といった様子で少し顔を赤くしている。
「ぼ、僕はーーー「はーい、そこまで。」」
店員の声に被せるようにして入ってきたのは太宰。椅子に座っているAの背後に立ち、後ろから抱きつくようにして現れた。
「げっ。太宰さん」
「はい、嫌そうな顔しなーい。そろそろお会計しようか。
君もそう簡単に他人に名前を教えるもんじゃないよ。名前っていうのは結構重要だ。意外と何かに操られる原因になったりするからね。」
(この店員さんの名前聞き出して、なんかあった時に異能を使えるようにしておこうという魂胆が太宰さんにばれているっっ)
Aは太宰の腕の中でつまらなそうな顔。
しかし、店員は諦めがつかないのか食い下がる。
「失礼ですが、お二人は恋仲なのですか?」
その問いにAは光の速さで返答。
「いや、ち「そうですよ」」
しようとするが、光の速さで太宰が言葉を被せる。
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かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます! (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんぷ | 作成日時:2023年10月10日 1時