マーキング返し3 ページ28
そして、嫌な匂いがすると言った首元にちゅ、と音をたてて唇を寄せた。
Aはまたビクッと身体を震わす。
「ふっ。昔から本当に首弱いよね。そんな可愛い反応して、誘ってるのかい?」
揶揄いに怒ったのか、Aが自分の横から逃れようとしている事に気づく。
その身体を逃すまいと彼女の両足の間を自分の足を入れ、さらに密着した。
またあの匂いのする首元に顔を近づける。今度は先程とは違って、少し長い時間唇を寄せている。
「っつ、痛っ」
自分の首元にチクリと走る痛みに思わず眉をしかめるA。だが、抵抗はしない。痛みを受け入れてるようにも見える。
太宰の唇が離れた。
Aの首元には小さな赤い痣のような跡。
それを見た太宰はにっこり笑い、彼女を抑えていた手と足を開放した。
「…上書きしといたよ。っ全く。次他の誰かの匂いになって帰ってきたら全身にマーキングするから。」
「マーキングって…犬じゃないんですから……」
Aはやっと解放された手で、付けられた跡を撫でている。その表情は、笑っており嬉しそうなようにみえる。
「何てったって、僕らはストレイドッグスだからね。」
「なんか上手い事言ってる。まぁ太宰さんの“これ”も今に始まった事じゃないですし…っと!何ですか急に!」
一度離れた2人だが、太宰がAの肩を掴み自分の方へ引き寄せた。
肩を寄せ合った次に、太宰はAの顔に自分の顔を近づけた。頬がくっつくほどに。
そして、ポケットからスマホを取り出してカメラを起動させた。
「え、なぜこのタイミングで写真?」
「中也に再会した時にこの写真自慢してやるのさ〜」
太宰は大分上機嫌で鼻歌まで歌っている。そして、長い自身の腕を伸ばし、画面内に写る自分達の姿を確認し、シャッターをきる。
「お、いいねぇ!Aも見るかい?」
太宰の言葉に、スマホに写る自分の姿を確認する。と、同時にAはある事に気づく。
「太宰さんこれめちゃくちゃキスマーク写ってますけど…」
彼女が恥ずかしそうに指摘するのに対し、太宰は当然だと言わんばかりの反応。
「そうだね。あー早く中也の反応が見たいよ〜!!」
彼のこういった嫌がらせ行為は日常茶飯事であるため、特に驚きもしないがAは心からの言葉を呟くのだった。
「……本当、いい性格してますね。太宰さん。」
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かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます! (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんぷ | 作成日時:2023年10月10日 1時