マーキング返し2 ページ27
太宰はAの首元を指先で2回程、トントンと触れた。
矢張りくすぐったくてAはまたビクッと反応。
「ここ。」
そう言われてAはつい数時間前の事を思い出し、声が漏れる。
「あっ!!!」
そして同時にトントンされた、基。中原に香水を付けられた首元を思わず手で隠す。
だがもう時すでに遅し。太宰は変わらないあの表情のまま、首元を隠す彼女の腕を掴む。
「中也の匂いがプンプンして鼻がもげそうなんだけど。」
「仕事でさっきまで会ってたので。中也さんと。」
Aは先程濁した質問に今更答えた。
そして、掴まれた腕を離してもらおうと抵抗する。が、なんだか押されていて、気づいた時には背中は壁にくっついていた。
目の前には太宰。後ろは壁。逃げ場は無い。
「ふーん。仕事…ね。君がそう言うならそうなんだろうね。」
Aは知っていた。“仕事”と言えば、太宰はそれ以上聞いてこない。なぜなら情報屋が客の情報を喋る事は禁忌であるから。その事を太宰はとてもよく分かっている。
Aは自分より背の高い彼を見上げる。
太宰は少し上がった彼女の顎先に軽く触れた。
「そうです、仕事です。」
Aはふいっと横を向いた。
直後。
先ほど軽く触れたのとは対照的に少し乱暴に、太宰は彼女の顔を下から掴んだ。
Aの顔は小さく、顎から頬くらいまでが彼の手に収まっていた。
「うっ…ちょっと、だざいしゃん、なに…」
顔を掴まれて非常に喋りにくそう。
「Aが顔背けるから。…全く。人のものにマーキングするなんて中也は躾がなってないな。」
太宰は掴んだ彼女の顔を更に上を向かせる。
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かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます! (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんぷ | 作成日時:2023年10月10日 1時