マーキング2 ページ24
「なんか、私生臭くないですか?あー…さっきまで拷問部屋にいたからだ…血の匂いがする〜」
「そうか?気になんねぇよ」
中原の返答に、デリカシーないなぁと呟いた後Aはさらに
「中也さんは気になんなくても私は気になるの!
ねぇ、お兄さん。香水持ってないです?」
一緒にエレベーターに乗っていた、中原の部下に声をかける。
男は、突然自分に振られた話題に少し驚きながらもスーツのポケットをゴソゴソと探る。
ポケットから出てきたのは茶色の小瓶。中には液体が入っている。
「これならありますけど…」
「お!それ貸して欲しいです!お兄さんつけてくれます?」
Aは、ミルクティー色の髪を片方に寄せてうなじを出した。
戸惑う事なくそれをするAに対し、中原の部下は戸惑いながら自分の香水を言われた通りつける。
否。つけようとする、が。
中原が部下とAの間に割って入り、部下の手を止めた。
「…?中也さん?」
広くないエレベーターの中で、無理に間に入ってきた中原とAの距離は自然と近くなる。
同時に彼女の鼻にふわりと中原の香水の香りが届く。
Aは中原を呼ぶが答えは返ってこない。代わりに、彼はエレベーターのボタンを押した。
森がいる階ではない。が、エレベーターは中原が指定した階で止まり扉が開く。
中原とAはエレベーターを降りた。
「中也さん、ここ森さんのいる階じゃないですけど…?」
Aはキョロキョロと辺りを見回すが、人影はない。
ふと、中原の表情を見ると怒っているのか不機嫌そう。
Aはそんな彼を揶揄っているのか、ヘラヘラと
「あれ〜?中也さん何か怒ってます?もしかして、私が自分の部下と仲良さそうにしてたからヤキモチですかっ?」
上目遣いで言う。
中原と目が合う。すぐに視線を逸らされるかと思ったがじっと視線を合わされ、Aにとっては想定外だった。
(あれっ、中也さんはここで目を合わせ続けるタイプじゃないと思うんだけど…言葉選び間違えたかな?)
そんな中原は、ポケットに手を入れ何かを取り出す。
彼の手の行方が気になり、ポケットに入った手にAは視線を落とす。
「他の男の匂いにされてたまるかよ。」
はっきりと耳に届いた彼の言葉に思わず、え?と声を漏らし落とした視線を戻した。
中原は変わらずこちらを見つめている。
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かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます! (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんぷ | 作成日時:2023年10月10日 1時