言えない仕事6 ページ21
「まぁまぁ、立原くん。素晴らしい仲間愛じゃない?
でもっっ彼が苦しんでるこの激痛。見て分かると思うけど実際に負った傷によるものじゃない。私の異能で幻覚によって感じてるもの。言いたい事分かるっ?」
Aは、手錠にぶら下がっている女に近づいて言う。
「…どういう意味よ。」
「これは幻覚なの。だから、彼がこの激痛にいくら耐えようと死んで楽になる事は出来ない。それどころか実際腕は切り落とされてる訳でもないんだから私は何回でも彼に同様の痛みを与える事が出来る。私は永遠に彼に痛みを与え続ける事が出来る。
さて、今は余裕ぶっこいてあなた達の組織の情報を守れるかもしれないけど…この永遠に続く苦痛に彼が死を望む事になるよっ。
あなたはその状況を隣で見て聞いて感じて…耐えられるのかなあ?」
彼女の言葉を聞いて女は生唾を飲み喉を鳴らした。額からは汗が垂れる。
しかしAは構わず、「次。」と呟いた。
男は声にならないような悲鳴をあげる。左手で目を覆った。次なる痛みは眼球にあるようだ。
「も、もうやめてっっ!!!」
「やめてもいいけど…ね?」
「わ、分かった!分かりましたっ!全て言いますっ!だっだから…!もうやめて…くださ…い……。」
女の言葉を聞いて、Aは彼女らに背を向け
「だってよ、広津さん。」
声をかけられた広津は壁から離れて犬を追いやるような仕草で手をひらひらとさせた。
何かの合図なのか、広津の動きに一斉にマフィアの部下が動き出す。
Aは両腕を天井へ向けて伸びをしながら
「うーーん。あんまりやりがいなかったなぁ。すぐ降参するんだもん。」
立原が彼女の側へ来る。
「お前いい性格してんな。ああいうのは自分が拷問されるより仲間の拷問を見せられる方が精神的にもクるからな。」
「それ分かってる立原くんも相当いい性格じゃん。あそこで降参しなかったら次はもっと痛い事してあげようと思ってたんだけどね、残念。」
彼女の言葉を聞いた立原は苦虫を噛み潰したような表情。
そんな顔をみてAは笑う。
「ふふっ何その変な顔」
そこへ、ある人物がやってきた。
茶髪に橙色を混ぜたような髪色の男。黒い帽子を被り、黒いコートに身を包んでいる。身長は然程高くない。
「中原幹部!!」
誰かがそう言った。
声につられてAも入口を見た。
そこに居たのは中原中也だ。
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かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます! (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんぷ | 作成日時:2023年10月10日 1時