言えない仕事2 ページ17
「やだ、すごい怖い顔してるよ?立原くんっ」
不機嫌そうな立原とは対照的にAは余裕そうににっこり笑った。
「…チッ。さっさと行くぞ」
立原は苛立ちを隠すかのように、乗ってきた車へ戻るため歩き出そうとする。
Aは背後からさらに話しかける。
「立原くんって私の事嫌いでしょ?どうして?私がマフィアの一員でもないくせにあのビルに出入りしたり銀ちゃんとかと仕事してるから気に食わないの?やだ、ヤキモチ?」
ーーーーー瞬間。
立原は一瞬で彼女に近づき、左胸に銃口を押し付けた。
「あんまり舐めた口聞くとぶっ殺すぞ。」
低い声で彼は言う。さらに
「ボスのお気に入りだかなんだか知らねぇけど、他人の権力のおかげで守られてる癖に調子乗りやがって。お前の事なんか簡単に殺せんだよ」
自分の心臓に銃を向けられている状況に、Aは顔色ひとつ変えずやはり笑っている。
立原は銃の引き金に指をかけ力を込めるーーーーーーーーー
否。力を込めることは出来なかった。
(な、なんだ!?指が動かねぇっっ…………
指だけじゃない身体もだ。ーーこいつの異能力か!?)
指一本動かせない状況に焦る立原。
「残念でしたっ!あなたの身体は私のものだよ、立原道造くん。」
彼女がそう言うと、立原は銃口を自らの心臓に向けた。
勿論、彼が望んでそうした訳ではない。
だが引き金を引こうと指はゆっくりと動き出す。
(やばい、このままじゃ殺やれるっっ……)
立原の額に汗が滲む。
ーーーーーだが、引き金は引かれなかった。同時に立原の身体も自分の意思で動くようになる。
「ふふっ。冗談だよ。立原くん殺したって何の特にもならないし。」
さらにAは続ける。
「私だってあなたの事は簡単に殺せるよ?自分の事は自分で守るし自分が守りたい人も自分が守る。あんまり私を舐めないでね?」
彼女はにっこりと笑った。
立原は銃をしまい、
「分かったよ、俺が悪かった。本部まで案内する。」
「ありがとうっ立原くん」
歩き出す立原の後ろを、Aも付いて歩くのだった。
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かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます! (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんぷ | 作成日時:2023年10月10日 1時