入社試験6 ページ14
「武装探偵社にようこそ、中島敦くん。」
太宰はベージュのコートのポケットに手を突っ込み、言う。
少し離れた所から谷崎が
「お役に立てて良かったです…」
「ね！茶漬けが腹一杯食えるとか語り出した時はどうなるかと思ったけど爆弾を抱えるなんてかっこよかったよ」
続いてAはそう言うと敦の手を握ってにっこり笑顔。
彼女の常套手段だ。
敦は手を握られてオロオロしながら、僕には無理ですなんて言い訳をしているが、矢張り太宰に言いくるめられるのだった。
Aは疲れ切った敦を気遣い、お茶を淹れようと社の給湯室に。
急須に茶葉を入れ、お湯が沸くのを待っている。
そこにガチャリと誰かが入ってくる音がして、Aは振り向く。そこにいたのは、
「太宰さん！どうしたんですか？」
「んー？」
太宰は曖昧な返事をした後、Aの手首を掴み自分の方に引っ張る。
「おぉっ。」
彼女は引っ張られた反動で太宰の胸元に飛び込む形に。
自分の背中に太宰の腕が回ったのに気付き、Aはそのまま身を委ねている。
(太宰さんの匂い好き。落ち着く。)
Aはバレないようにスンスンと鼻を動かす。
お湯を沸かしているヤカンから鳴っている音が変わり始める。それ程時間は掛からずお湯は沸くだろう。
太宰は彼女の背から腕を外し、次に肩を掴んで少し空間を作る。Aは胸元に顔を埋めるのをやめて太宰を見た。
2人は少しの時間目を合わせる。
太宰の視線が、彼女の目から口元に落ちて伏目がちに。
そして太宰はAに顔を近づける。
「調子に乗らないでくださーい！こんな所で駄目ですよ」
かと思いきや、Aはそう言うと同時に自分の掌を太宰の口元に当て、それ以上近づかないようにしている。
「君がそんなに可愛い格好しているからいけないんだよ」
太宰は自分の口元に当てられた小さい手を退かして言った。
「これは綺羅子さんに無理矢理着させられたんですっ私のせいじゃないもん」
納得がいかない、という様子で口元を尖らせるA。
「それでも駄目だね！ーー全く。早速敦くんに近づいているし。油断も隙もないね。」
今度は優しくAの背中に腕を回す。自然と2人の距離は再び無くなる。
太宰は彼女の頭の上に顎を乗せ、片手でミルクティー色の猫っ毛を撫でる。
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かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (
レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます！ (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かんぷ | 作成日時：2023年10月10日 1時
