入社試験3 ページ11
「ーーあのぉ……。」
先日、無意識の内に虎に変身してしまった所を武装探偵社に助けられた中島敦は恐る恐る声を出す。
武装探偵社の一員である太宰に、仕事を斡旋してあげると言われてついてきたのだが何やら探偵社で問題が起きているらしく連れてこられてしまったからだ。
「なんだ?探偵社はこのビルの4階だが?」
国木田の返答が、求めていた答えとは全く違うものだった敦は思わず
「いやぁ…。そういう事じゃなくて……。」
「念の為、階段で行こう」
さらに太宰も求めていた答えとは違う返答をするため、敦は大声を出してしまう。
「静かに」
国木田に注意され、反射的に謝る敦。
3人は無事に4階まで階段を登りきり、“武装探偵社”の看板がある扉の前までやってきた。
「ピッ。ーーピッ。ーーピッ。」
規則正しい電子音が嫌に室内に響く。
「いやだ…。もういやだ…。
全部お前らのせいだ。武装探偵社が悪いんだ…。」
男は、机の上に行儀悪く座っている。恐らく犯人だろう。彼は片手で顔面を覆いながら絶望の表情。隣には電子音の発信元である爆弾が置かれている。
太宰達3人は探偵社内に侵入し、物陰に隠れた。
その間にも犯人は社長を出せ!と叫んでいて、3人は物陰から少しだけ頭を出して様子を伺っている。
その時敦は、人質の女の子を見て国木田が驚いた表情をしたのを見た。
何かあるのかと思い、隣の太宰の表情を見るがこの緊迫した現場に違和感の無い真面目なものだった。
疑問に思っていると、
「しかも女性を人質に取るとは卑劣な。」
「あの女の子は?」
「彼女はAちゃん。バイトの事務員さんだ。」
太宰がそう言った後、左隣の国木田の首がグリンっと音がしそうな程、勢いよくこっちを向いたので敦は驚く。
「バイトさん!?それじゃあ完全にとばっちりじゃないですか!」
国木田の反応が気になりつつも、敦はロープで縛り上げられている女の子を見る。
そんな敦の後ろで、太宰と国木田はコソコソと話し最後にはじゃんけんを始めた。
それを見た敦は流石に呆れ顔だ。
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かんぷ(プロフ) - せなさん» ありがとうございます☺️最近忙しくてなかなか更新できないのですが、読んでくださって嬉しいです☺️良ければまた読みにいらしてください (1月12日 21時) (レス) @page22 id: e2bef6b9e2 (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - シンプルに言います。神ですね (1月9日 2時) (レス) id: fdd34e7dad (このIDを非表示/違反報告)
かんぷ(プロフ) - ふぁぁんでぇすさん» コメントありがとうございます。本当ですね😢すみません😢修正します。ご指摘ありがとうございます! (10月16日 21時) (レス) id: 6c4057c318 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁぁんでぇす - 太宰さんの一人称「私」だったような(-.-) (10月16日 21時) (レス) @page5 id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんぷ | 作成日時:2023年10月10日 1時