私、六つ子よりも強いんで。[おそ松さん][喧嘩松]

No.31　[過去編] ページ33

最近、桃乃の帰りが遅くなった気がする。


気がするだけなので私の勝手な想像かもしれないけど、遅くなった理由と事実が噛み合わないのだ。


桃乃は「部活が長引いた」とか何とか言うのだが、葵は「今日はいつもより一時間早く終わった」と言ったりすることもしばしば。


もうそろそろ、どちらを信じたら良いのか分からなくなってくる頃である。


　


そのくらいのときだった。


桃乃が、顔に痣をつくって帰って来たのは。


色白の頬は青く染まって膨れ、初めのうちは虫歯でもできたのかと思ったくらいだ。


『桃乃!?どうしたのその頬!?』

桃乃「いや……、転んでそこにあった石に直撃しまして」


そう言ってエヘヘと微笑する桃乃。


何かが引っ掛かる笑顔だった。


このとき気づいていれば＿＿


　


　


それからも、桃乃は体の至るところに怪我をし続けた。


聞いても「大丈夫」とだけ言って、そのあとは何も話さない始末。


日に日に不満は募っていった。


　


　


そして、あの日。

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