黒帽子が六つ ページ7
他愛ない会話をしながら、2人は服屋に入る。全体的に黒系統の服を取り扱っている其の店には、胸元が大胆に開いたワンピースや踵がかなり高いハイヒール等が売られていた。しかもそこそこの御値段だ。
「Aちゃん、こういうの着るタイプだったりする?」
「何を云っているんですか。こんなに胸部を強調するものなんて寒くて着ていられません」
だろうね、と太宰は笑った。知っているなら最初から聞かないで下さい、とAは冷たく返しながら店の奥へと進む。……と、隅の方に何かが引っかかっているのが見えた。
引き寄せられるように近づく。案の定、帽子だった。灰色や茶色等、色とりどりの帽子が並ぶが、彼女の目に映るのは黒帽子だった。
その中で、今朝会った彼奴の被っているものと似たデザインの帽子を見つけた。無意識に手に取る。何となく被ってみると、先週被ったときと同じように頭に収まった。
「帽子の試着はお控えください」と書かれた貼り紙を見つけ、Aは慌てて帽子を元の場所に戻した。其れと同じタイミングで太宰がやって来た。
「Aちゃん、そろそろ行った方が良いかも知れない」
「分かりました」
Aは出口へ歩き出す。しかし、太宰は先程Aが被っていた帽子を見つめたまま動かなかった。
「太宰さん?」
「ああ、そうだったね」
太宰は苦笑いし、少し遠くの方で待つAの方へ小走りで向かった。
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ちくわの国の深井さん(プロフ) - 姫蛍さん» TKです(( 文才ないので渡せませんw (2017年7月28日 21時) (レス) id: d729c286e5 (このIDを非表示/違反報告)
姫蛍(プロフ) - そうですね!!TKですね!!…文才くださいw (2017年7月28日 21時) (レス) id: eab093c7da (このIDを非表示/違反報告)
ちくわの国の深井さん(プロフ) - 姫蛍さん» コメントありがとうございます!TK(中也はかっこいい) (2017年7月28日 21時) (レス) id: d729c286e5 (このIDを非表示/違反報告)
姫蛍(プロフ) - 中也かっこいい・・・そして、いろいろと羨ましいぞ、夢主ぃぃぃぃ!! (2017年7月28日 21時) (レス) id: eab093c7da (このIDを非表示/違反報告)
深井さん(プロフ) - 千夜ママンさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです♪中也の腹筋絶対に割れてますよ……サワサワ……← (2017年4月25日 18時) (レス) id: d729c286e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:深井さん | 作成日時:2017年4月9日 20時