KISS_FOR_U・3(y視点) ページ30
side(y)
七人並んで、カメラに向かって笑顔を浮かべる。オレは太輔のとなりに座って、前にいる宮田の肩に手を置いていた。
撮影終了の声が聞こえて、体の緊張をといたときだった。
太輔の肩が、オレの肩にぶつかった。
「あっ。ごめんね、わた」
「……あ…うん。平気…」
なんとかそう返したけれど、うろたえてしまって太輔の顔が見れなかった。
顔が熱い…。
心臓だってバクバク鳴っている。
(……あれ?)
なんで、太輔と肩がふれ合っただけで顔が熱くなるんだろう。
(…………)
…いや、まさか。ないない。
とある可能性が浮かんできたけれど、むりやり頭から追い払う。
…だって、そんなの。
「渉」
「っうわ!」
ふいに太輔に肩をたたかれて、小さく飛び上がってしまった。
考えごとの内容が内容だっただけに、心臓がどくどく跳ねている。
「ごめん。びっくりさせた?」
「だ、だだっ、だいじょうぶ…!」
「そう?でも、ごめんね?」
ぶんぶんと首を振る。
「そ、れより…なに?」
きょとんとしている太輔に用件を聞くと、今度は太輔が体を固くした。
「うん。…わた、このあと、まだ仕事?」
「今日は終わり。明日はまた朝から仕事だけど」
「じゃあ…俺の家、来ない?」
太輔のきれいな目が、意味ありげな色を含ませてオレを見つめる。
一瞬、呼吸を忘れる。
心臓が、ぎゅうっと掴まれたみたいに苦しい。
なにをするかなんて、わかってる。
行かないほうがいいって、行ったらダメだって、脳が警告を鳴らす。
行ってしまったら、たぶん、戻れなくなる気がする。
太輔は気を使わないでいられる親友で、大事なメンバーで…それで…。
「……うん。…行く」
オレはまた、叶わない恋をはじめてしまうのかな。
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風華(プロフ) - なゆきすさん» はじめまして(*^^*)コメントありがとうございます♪らしさが出せてますか!すごく嬉しいです(つω`*)キュンキュン、悶絶してくださって、本当にありがとうございます(*´人`*) (2016年12月1日 0時) (レス) id: 1b2af6d73b (このIDを非表示/違反報告)
なゆきす(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます!先日こちらの作品を見つけて一気に読ませて頂きました!わたたいの言動からもお互いを想う気持ちが伝わってきて切なくもキュンキュンさせて貰いました!他のCPも驚くくらいらしさが出ていて、可愛くて悶絶しました。゚(゚´ω`゚)゚。 (2016年11月30日 7時) (レス) id: 3a98101b3e (このIDを非表示/違反報告)
風華(プロフ) - (*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ みんなの思いに答えをつけて、どっちかわからないという状態は避けました。最後までお付き合いくださって、ありがとうございますー(つω`*) (2016年10月27日 14時) (レス) id: 1b2af6d73b (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ハッピーエンドに拍手〜。皆に幸あれですね\(^^)/ (2016年10月26日 20時) (レス) id: da0698ca24 (このIDを非表示/違反報告)
風華(プロフ) - のあじさん» 最後まで見届けてくださって、ありがとうございます!長いあいだ、それぞれにつらい思いをさせてしまったのですが無事にみんなハッピーエンドで終わることができました。きっとこのあとは、周りが胸焼けするほどイチャイチャしてくれていると思います(*^^*) (2016年10月26日 1時) (レス) id: 1b2af6d73b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風華 | 作成日時:2016年9月23日 13時