Love_meee・2(f視点) ページ21
side(f)
急遽、一人の仕事が入ったと告げられる。
簡単なインタビューだけだと、返事も待たずにみんなとは違う方向に案内されてしまった。
狭い部屋に案内されて、息をつく間もなく取材が始まる。
渉におつかれも言えなかった。
「藤ヶ谷さん、笑顔で一枚もらえますか」
淡々と進んでいく取材中、頭の中は渉のことでいっぱいだった。
やっぱり渉のことが気になって、仕事が終わってすぐ、渉に電話をかけてみた。
すぐに出てくれた渉の声はやっぱり、いつもより少し元気がない。
「渉。いま、どこ?」
「どこって…自分の家だよ」
「一人?」
「うん」
「行ってもいい?いまから」
渉はなにか考えてたのか、しばらくだまっていたけど、静かな声でいいよって言ってくれた。
途中で簡単なおつまみと酒を買って、渉が住むマンションへ向かう。
「こんばんは、わた」
「いらっしゃい。あがって」
「うん。お邪魔します」
部屋に通されると、テーブルの上にはすでにお酒が置いてあった。
「飲んでたんだ?」
「ちょっと前からね。そんなには飲んでないよ」
そうは言ってるけど瓶の中身はけっこう減ってるし、空の缶も何本か並んでる。
そのわりに酔ってる様子はあんまり感じられなくて、いつもより冷静だし、言葉もしっかりしてる。
…そんなに飲んでも酔わないなんて、なにを考えてたの。
「ねえ。わた。やっぱり今日、なんかあったでしょ」
テーブル越しに向かい合って座ると、さっそく本題に触れる。
渉は黙ったまま、なにも言わない。
「また、俺には言えないことなの?」
渉ががばっと顔をあげた。そわそわと視線を揺らして、ぎこちない動きでうなずく。
「なんで?そんなに知られちゃいけない内容なの?」
「オレだけじゃなくて…相手の人のことも、あるから…」
「相手の人に関わるところは話してくれなくてもいいよ。渉が話してもいいって思う部分だけでいい。それでも、ダメ?」
「でも…」
「俺は聞きたいよ。渉のことなら、どんなことでも。渉の元気がない理由がそこにあるんなら余計に知りたいし、できるなら一緒に考えたい」
場所を移動して、渉のとなりに座り直す。肩をふれあわせても、渉はそのまま動かないでいてくれた。
「聞いても、たぶん…おもしろくないから」
「渉を落ち込ませてることが、おもしろい話なわけないじゃん」
それに、たとえどんなに重い話だって、受け止める覚悟はできてる。
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風華(プロフ) - なゆきすさん» はじめまして(*^^*)コメントありがとうございます♪らしさが出せてますか!すごく嬉しいです(つω`*)キュンキュン、悶絶してくださって、本当にありがとうございます(*´人`*) (2016年12月1日 0時) (レス) id: 1b2af6d73b (このIDを非表示/違反報告)
なゆきす(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます!先日こちらの作品を見つけて一気に読ませて頂きました!わたたいの言動からもお互いを想う気持ちが伝わってきて切なくもキュンキュンさせて貰いました!他のCPも驚くくらいらしさが出ていて、可愛くて悶絶しました。゚(゚´ω`゚)゚。 (2016年11月30日 7時) (レス) id: 3a98101b3e (このIDを非表示/違反報告)
風華(プロフ) - (*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ みんなの思いに答えをつけて、どっちかわからないという状態は避けました。最後までお付き合いくださって、ありがとうございますー(つω`*) (2016年10月27日 14時) (レス) id: 1b2af6d73b (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ハッピーエンドに拍手〜。皆に幸あれですね\(^^)/ (2016年10月26日 20時) (レス) id: da0698ca24 (このIDを非表示/違反報告)
風華(プロフ) - のあじさん» 最後まで見届けてくださって、ありがとうございます!長いあいだ、それぞれにつらい思いをさせてしまったのですが無事にみんなハッピーエンドで終わることができました。きっとこのあとは、周りが胸焼けするほどイチャイチャしてくれていると思います(*^^*) (2016年10月26日 1時) (レス) id: 1b2af6d73b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風華 | 作成日時:2016年9月23日 13時