タナゴコロ・3(y視点) ページ14
side(y)
それ以来、太輔はよくキスをしてくるようになった。
もちろんそれは二人きりのときだけだけれど。
今日も楽屋で、メンバーがいなくなった隙に、色気をまとった太輔が薄く笑って近づいてきた。
「わた」
名前を呼ばれて、太輔に一歩近づく。
のびてきた指先で頬を撫でられて、包みこむようにして引き寄せられる。
「んっ、…」
太輔のキスはいつも優しくて気持ちいい。
大事にされてるみたいな、愛されてるみたいなくちづけに、頭がふわふわする。
好きだよって言われてるみたいな、そんな錯覚を起こしそうになる。
気持ちいいけど、少しだけ苦しい。
太輔の思い人はどうして、こんなに優しいキスをくれる太輔を好きにならなかったんだろう。
オレにさえこんなに優しいんだから、きっと、彼女はもっともっと大切に扱われてたんだと思うのに。
太輔を選んだら絶対、幸せなのに。
そんなことを考えていると、太輔の指がオレのほっぺをぐにっと摘まんだ。
「痛っ! たいしけ、いひゃい!」
「いま、なに考えてたの」
「へっ」
「なんか考えてたでしょ。なに考えてたの、わた」
考えてたこと…
「…太輔との、キスのこと…?」
素直にそう言うと、ぱちっとまばたきをした太輔が、すうっと妖しい微笑みを浮かべた。
「ええ。…なに、まさか俺に落ちちゃったの、渉?」
じっとのぞき込んでくる太輔の瞳に吸い込まれそうで、慌てて視線をそらした。
「ははっ、そうかも」
茶化してそう言ったけど、心臓はドキドキ跳ねている。太輔は顔立ちがきれいだし色っぽいから、そんなことを言われたら、ついうなずいてしまいそうだ。
一瞬、目をみはった太輔は、急に不機嫌な顔つきに変わる。
「…ほんとに落ちてくれたらいいのに」
「えっ?なに?」
301人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
風華(プロフ) - なゆきすさん» はじめまして(*^^*)コメントありがとうございます♪らしさが出せてますか!すごく嬉しいです(つω`*)キュンキュン、悶絶してくださって、本当にありがとうございます(*´人`*) (2016年12月1日 0時) (レス) id: 1b2af6d73b (このIDを非表示/違反報告)
なゆきす(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます!先日こちらの作品を見つけて一気に読ませて頂きました!わたたいの言動からもお互いを想う気持ちが伝わってきて切なくもキュンキュンさせて貰いました!他のCPも驚くくらいらしさが出ていて、可愛くて悶絶しました。゚(゚´ω`゚)゚。 (2016年11月30日 7時) (レス) id: 3a98101b3e (このIDを非表示/違反報告)
風華(プロフ) - (*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ みんなの思いに答えをつけて、どっちかわからないという状態は避けました。最後までお付き合いくださって、ありがとうございますー(つω`*) (2016年10月27日 14時) (レス) id: 1b2af6d73b (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - ハッピーエンドに拍手〜。皆に幸あれですね\(^^)/ (2016年10月26日 20時) (レス) id: da0698ca24 (このIDを非表示/違反報告)
風華(プロフ) - のあじさん» 最後まで見届けてくださって、ありがとうございます!長いあいだ、それぞれにつらい思いをさせてしまったのですが無事にみんなハッピーエンドで終わることができました。きっとこのあとは、周りが胸焼けするほどイチャイチャしてくれていると思います(*^^*) (2016年10月26日 1時) (レス) id: 1b2af6d73b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:風華 | 作成日時:2016年9月23日 13時