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片桐A
あなたのせいで、私は2回も苦しい思いをしました。
1回目は、あなたが私を呼び出した時。
なんでもズバズバ言えて勉強もスポーツもできて私とは正反対なコネシマくんに憧れて、コネシマくんと同じ図書委員会に入ったのに、あなたのせいで私は続けられなくなった。
2回目は、私がコネシマくんに告白した時。
勇気を出して告白したのに、コネシマくんは私を振った。
それでもいいって、告白する前から思ってたの。コネシマくんに想いを伝えるだけでも充分だって。
でもね、コネシマくん、なんて言ったと思う？
『好きな人がいる』だって。
私を振るための嘘かと一瞬思ったよ。
でも、女の子から話しかけられてもいつもどうでも良さそうに適当に配うあのコネシマくんが、わざわざそんな嘘つく訳ないよね。好きじゃないとか興味ないとか、本当のことを言えばいいだけだもん。
本当なんだよ、好きな人がいるの。相手はすぐにわかった。
そんな態度をとるコネシマくんが、唯一嬉しそうに自分から話しかける女の子…片桐A、あなたしかいないから。
あなたには彼氏がいるよね。一緒にいるの、よく見かけるよ。コネシマくんも知ってた。
なのに、それでもあなたのことが好きなんだって。付き合えなくても両想いになれなくても、気持ちに気付いてもらえなくても、それでもいいって。
そんなに私の人生の邪魔をして楽しい？
もう生きていく意味も特にないから、私も最期にあなたの人生の邪魔をしてあげようと思う。どうだった、私の最期は？
この手紙は煮るなり焼くなり好きにどうぞ。
もうひとつの封筒は、親や先生に向けての遺書だから、大したことは書いてないから安心して。
安心して1人で抱え込んで、一生悩み続ければいいの。
中野舞子
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