【wrwrd!】呼び出し代行 2【zm】 (ページ15)

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「…そっか、やっぱりわからんかってんな」

『はい…県外に出たらしいことしか…』

電話越しに、坂口ちゃんが申し訳なさそうに言った。

情報交換のためにこまめにしていた坂口ちゃんとのやりとりも、ほとんど変化がなくなってしまっている。今日もいつも通り、坂口ちゃんが謝って、俺がそれを宥める。

『すみません、早く会いたいですよね』

「坂口ちゃんが謝ることやないよ…俺には何もできへんのに、こうやって教えてもらってるだけで充分」

そらはよ会いたいけど、と小声で呟く。

三住ちゃんとのことを一瞬で嗅ぎ付けた坂口ちゃんをここまで手こずらせるなんて、Aちゃんはどこまで行ってしまったんだろうか。

『また今度何かわかったら連絡します』

「ありがとな、坂口ちゃん」

『いえ、失礼します』

ぷつ、と通話を切る。

静かになった部屋で、大きく溜息をつきながら寝転んだ。

.

なあ、Aちゃん。

俺、ずっと探してんねんで。

Aちゃんに会いたくて、Aちゃんの声を聞きたくて、ずっとずっとAちゃんのことばっか考えてるんやで。

大学は県外行くって言うてたけど、Aちゃんとの繋がりがなくなるんは嫌やから、近くの大学にしたし。

坂口ちゃんなんて、大学にも行かずにAちゃんのこと探してる。

Aちゃんは、みんなにこんなに影響与えてるんやで。

はよ帰ってきてや、Aちゃん。