・ ページ34
真咲Side
それからしばらくして、外の空気を吸いたくなって俺は屋上に出た。
そこには、先客の怜生くんの姿があった。
怜生「光黄か？」
真咲「あっ、いや…」
怜生「あぁ、お前か。」
ぶっきらぼうなその言葉とは裏腹に、少し横にずれてくれる。
そんな怜生くんに俺は、
真咲「お疲れ様でした。」
と、持ってきた苺ミルクを飲みながら答える。
そして彼と横並びに屋上の柵にもたれかかった。
しばらくの沈黙の後、その静けさを破ったのは怜生くんだった。
怜生「今日、俺を助けようと動いてくれたやつはお前だけだった。ありがとな。」
一瞬何のことか分からなかった。
でも瞬時に、あのことかと納得できることを思い出した。
佐藤が怜生くんが爆弾を解除できないと言った時、皆さんは怜生くんを信じて動こうとしなかったが、俺は怜生くんを救いたくてあてもなく彼を捜しに行こうとしていた。
影から、俺たちの戦況をずっと見ていた怜生くんは、俺のその小さな動きも見逃していなっかたのだ。
真咲「別に、心配だったんで。当たり前のことです。」
照れ隠しにそう言ってみたものの、意外と細かいところを見てくれていて嬉しかった。
そんな俺を見て、怜生くんは言った。
怜生「でも、次あんなことやったら承知しねぇから。俺に解除できない爆弾なんてない。俺は良いからみんなの所にいろ。」
ちょっと、得意そうな顔をして。
でも、その表情は俺には理解できなくて…
真咲「なんで？どうしてですか？」
と聞き返してしまった。
怜生「俺は、詮索する奴は好きじゃない。でも、お前にそれなりの覚悟があるなら、俺のことぐらいは教えてやってもいい。」
俺は黙ってうなずいて返した。
怜生「風男塾は5年前に作られたというところまでは知ってるだろ？あれは、風男室ができて腐男塾という前身グループから、数人が選ばれて新しく風男塾として警視庁の正式な管下に組み込まれたのが5年前ってだけだ。前までは、それぞれの部署で働いて、求められた時だけ集められていた。だから、腐男塾の時の歴史から辿ると、風男塾はもう10年以上はの歴史を持つグループだ。」
何だかややこしくて、ピンと来ないけど…
やっぱりすごいチームだってことは分かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
