81.傍にいたい ページ36
私はしばらくメリオダスの胸で泣いた。
メリオダスの優しさに甘えて…私は本当にズルい。
「ご、ごめんね…!もう平気…。あっ、ていうか重かったよねほんとごめん!!」
「さっきから謝りすぎ」
「いたっ」
今更だけどメリオダスの膝の上に乗ってそんな彼の胸で泣きまくるとか私物凄く恥ずかしいことしたんじゃ…と、慌ててメリオダスの膝からおりて何度も謝る。
謝りすぎてデコピンを食らってしまった。加減はしてるだろうけど地味に痛い。
額を抑えながら、私はメリオダス向き合うように正座をする。
大丈夫。たくさん泣いたおかげか、もう心はさっきよりも落ち着いた。
「メリオダス、助けに来てくれてありがとう。泣いちゃって、お礼言いそびれた」
「お前もオレ達の大事な仲間だ。助けに行くのは当たり前だろ!」
仲間、か。
メリオダスにそう思ってもらえることは嬉しい。嬉しいんだけど、胸が小さく痛むんだ。
メリオダスにとって、私は大事な仲間。それ以上でもそれ以下でもない。
だってこの人の特別は、エリザベスなんだから。
彼と出会った時、メリオダスに抱くこの気持ちは知られてはいけないと。絶対に口に出してはいけないと。そう決めてた。
知られちゃいけないんだから。
「…あの聖騎士はどうやらお前のことを狙ってるような感じに見えたけど何もされなかったか?」
「大丈夫。何もされてないよ」
「ほんとか?……ふむふむ、嘘はついてないな。良し」
まじまじと私の顔を見て、大丈夫そうだなと呟くメリオダスに思わず小さく笑う。この人はほんと、時々ちょっと心配性みたいなとこがある。
「そーいや、アイツが言ってた“勧誘”ってのは?」
「あれは…」
これは言うべきなのか、正直迷った。けど誤魔化したところでメリオダスは簡単には引き下がらないだろう。
「こっち側にいるべきだ、って言われたの。メリオダス達といるよりもこっち側にいるべきだって」
私が聖騎士側についたところで何のメリットも無いのに。
だけど、みんなに嘘をついて騙してる私にメリオダス達の傍にいる資格は無い、と。そう言われてるようで苦しかった。
だけどまだ本当のことを言うのが怖い。それでも近くにいたい、傍にいたい。
私は嫌な考えを打ち消すように立ち上がり、「大丈夫だよ」と言って笑顔を浮かべた。
するとメリオダスも立ち上がり、私の腕を掴んだ。
「アイツのとこには絶対行くなよ、A」
その表情は、いつにもまして真剣だった。
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きよか。(プロフ) - アリスさん» いい歌ですよね。儚げな曲調がすごく好きです(’-’*)ありかとうございます!これからも頑張ります♪ (2018年11月13日 23時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
アリス - どうも、アリスです。瑠璃色の地球、私の友達が合唱コンクールで歌いました。私も大好きな曲です。これからもがんばってください! (2018年11月13日 18時) (レス) id: 9ad0b945de (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - 糞さん» 盗作被害にあってしまったため、しばらく鍵をつけさせていただいてます。ご迷惑おかけして申し訳ありません(>_<)もし、Twitterアカウントをお持ちでしたら私のプロフ欄にTwitterのIDをのせていますので、そちらからリプかDMをくださればパスワードを教えます。 (2018年9月30日 15時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
糞 - 前見たときは、パスワードなかった気がするのに、パスワードがあって、最初が見れない!まぁ、ある程度は覚えているので思い出しながら覚えようと思います!盗作したやつひどいですね。でも、面白いから盗作した!とか、少しでも前向きに思って頑張って下さい! (2018年9月30日 14時) (レス) id: 795dbb3df9 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - lukulukuippoさん» ほんと、呆れちゃいますよね…。もう二度とこんな目にあうのはごめんです(;_;)生活の中の楽しみと言っていただけるなんて…!そんな大きな存在になれてるのかと思うと本当に嬉しいです!更新はまだまだ続けていきますよ!これからもよろしくお願い致します♪ (2018年9月27日 20時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きよか。 | 作成日時:2018年7月10日 16時