61.分からない ページ16
「キング、Aも疲れてんだ。その話は今はいいんじゃねーか?」
「甘いよ団長。仮にこの子がもし、聖騎士のスパイだっとしたら?オイラ達の敵だったら?その時はどうするの」
「な、何言ってるのキング!Aが聖騎士なんて、そんなわけないでしょ!」
「そうです…!Aが敵だなんてそんなわけありません!」
キングが疑うのも無理はない。
そもそも、メリオダスや他のみんながあまりにも私を疑わなさすぎるんだ。
キングのこの反応が、正しい。そう、これが…正しい。なのに、胸がどうしようもなく痛くて苦しくて仕方ない。
ここで、私はそんなんじゃないって言ったところでキングはきっと簡単には信じない。
「団長、聞いてる?その時は、どうするのかって質問してるんだけど」
「んー、そん時はそん時だ!」
「はぁ!?」
「コイツの目を見りゃ分かる。Aはオレ達の敵じゃねえってな。キング、あんまり疑いすぎてもよくねぇぞ」
「んなことより〜、キングも飲もうぜ〜♪」
「キミはこの中で一番何も考えなさすぎだよバン」
ジョッキ片手に、既にほろ酔い状態のバンに呆れるキング。
そして再び向けられるキングからの視線。
私はギュッと拳を握りしめ、俯いていた顔を上げてキングを見つめた。信じてもらえなくても、ちゃんとはっきり言わないと。
「…私は、敵なんかじゃないよ。聖騎士のスパイでもない。でもキングが私を怪しむのは仕方ない。むしろ怪しまれて当然だから…。ただこれだけは言えるよ。私はみんなの味方だって。ただのなんでもない普通の人間だから…」
「普通の人間の、ひ弱そうな女の子が武器も無しにあんな力を使うことができるの?」
「キング…!!」
「ディアンヌ、オイラはやっぱりこの子を簡単には信じきれないよ」
たまらず間に入るように声をあげるディアンヌにキングは表情を歪ませる。
そう。ただの普通の人間。なんの力も持たない、ただの弱い存在。…だったはずなのに。
あの時のあの力を見てしまったら…。
「私にも分からないの…。だって私、元々そんな力なんて無かったし…!そんなものとは全然無縁だったし…。今まで魔法とか使ったことも見たこともなかったんだよ!」
思わず声を荒げてしまう。けどそんなの気にしてられなかった。
「戦いとか魔法とか、そんなの…知らないし…!私に魔力とかあるわけないのに!なのに、あんな力…。あの力は何って?私は何者なのかって?そんなの私が聞きたいよ…!!」
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きよか。(プロフ) - アリスさん» いい歌ですよね。儚げな曲調がすごく好きです(’-’*)ありかとうございます!これからも頑張ります♪ (2018年11月13日 23時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
アリス - どうも、アリスです。瑠璃色の地球、私の友達が合唱コンクールで歌いました。私も大好きな曲です。これからもがんばってください! (2018年11月13日 18時) (レス) id: 9ad0b945de (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - 糞さん» 盗作被害にあってしまったため、しばらく鍵をつけさせていただいてます。ご迷惑おかけして申し訳ありません(>_<)もし、Twitterアカウントをお持ちでしたら私のプロフ欄にTwitterのIDをのせていますので、そちらからリプかDMをくださればパスワードを教えます。 (2018年9月30日 15時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
糞 - 前見たときは、パスワードなかった気がするのに、パスワードがあって、最初が見れない!まぁ、ある程度は覚えているので思い出しながら覚えようと思います!盗作したやつひどいですね。でも、面白いから盗作した!とか、少しでも前向きに思って頑張って下さい! (2018年9月30日 14時) (レス) id: 795dbb3df9 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - lukulukuippoさん» ほんと、呆れちゃいますよね…。もう二度とこんな目にあうのはごめんです(;_;)生活の中の楽しみと言っていただけるなんて…!そんな大きな存在になれてるのかと思うと本当に嬉しいです!更新はまだまだ続けていきますよ!これからもよろしくお願い致します♪ (2018年9月27日 20時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きよか。 | 作成日時:2018年7月10日 16時