22.心臓に悪い ページ23
「おーろーしーてー!!メリオダス!ねぇ、聞いてる!?」
「ばっちり聞こえてるけど悪いな。おろす気はない」
「…っ」
メリオダスに肩に担がれたまま、私の抵抗なんて物ともせずにスタスタと歩みを進めてく。
途中ホークちゃんが「なんだなんだどうしたお前ら!」と驚いたように聞いてきたけどメリオダスは「なんでもねぇぞ」って言うだけ。
「よっ、と」
メリオダスは、部屋の一室を足で雑に開けると、そのまま私をこれまた雑にベッドに放り投げるかのようにしておろした。
やっとおろしてくれたのはいいんだけど、ちょっと待って。ここってもしてかして、もしかしなくてもメリオダスの部屋…じゃない?
ベッドに放り投げられ、私を見下ろすメリオダスに嫌な予感がして冷や汗が背中を伝う。
「えっ、あ、あの、メリオダス…お、落ち着いて…って、わぎゃ!?」
「お前が落ち着け。とりあえずもう寝ろ」
「…へ?」
トン、と肩を押されて背中に感じるベッドの柔らかさ。
そのままバサリと掛け布団をかけられ、思わず目を丸くした。
「ほう、さてはオレに襲われたかったか…。お望みとあらば…」
「ち、ちちち違う!!やめてやめて!」
「そんな嫌がるか」
本気なのか冗談なのか分からない顔で、私に覆い被さってこようとするメリオダスを必死で止めた。
いくらなんでも心臓に悪すぎるし、多分私…今物凄く顔が赤い気がする。本当に勘弁してほしい。
それよりも、なんでわざわざ私を部屋に連れて、寝ろなんて…。意味が分からず戸惑いを隠せない。
「私まだ眠くない…それにここメリオダスの部屋だし、ベッドだって…これじゃあメリオダスが眠れないでしょ…」
「安心しろ。Aと添い寝すれば問題ない」
「いや問題あるよ…大ありだよ…問題しかないよ…」
親指を立てながら、問題ないとかキメ顔で言われても。
そんなことされたら私の心臓が持たない。
人様の部屋で、ベッドでスヤスヤと眠るなんてそんな図々しいこと出来ない、と渋る私にメリオダスは「いいから気にすんな」と言うだけ。
あくまでも、今は寝ろってことらしい。
メリオダスはそのままベッドに腰をおろして、私を見る。
なんなんだ、この状況は。恥ずかしくてどこに目線をやったらいいのか分からない。
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アイル(プロフ) - イメ画可愛いですね!どんなアプリ使ってるんですか? (2018年11月6日 11時) (レス) id: 71579a9d7e (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - カナリアさん» 気に入っていただけて嬉しいです(>_<)これからも更新頑張っていきますので楽しみにしてくださればと思います(’-’*)♪ (2018年8月25日 13時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - これはまったかもしれないですこの作品私気に入りました (2018年8月25日 0時) (レス) id: 207c22caf3 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - ゆら! さん» コメントありがとうございます♪ドキドキしていただけてとても嬉しいです(’-’*)♪ (2018年8月19日 17時) (レス) id: 73661a568b (このIDを非表示/違反報告)
ゆら! - もうドキドキが止まらないですぅ〜。 (2018年8月18日 3時) (レス) id: e1ed62eaa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きよか。 | 作成日時:2018年6月6日 15時