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ut「あっ、えっ…A…なんでここにいるでござ…」
それを破ったのはガラガラと音を立てて扉を開いてDクラスに入ってきた何も知らないウツだった
しかし…その姿もまた何に影響されたのか、ウツという原型がわからなくなるような衣服に身を包んでいた
『うわ!やっぱウツも?!!』
ut「え?え?」
『いつものセンスはどこに捨ててしまったんや…!!』
思わず絶叫してしまった僕に対してウツは狼狽る
その声にハッとしたようにゾムは「はっ恥ずかしー!!」と思いっきり顔を抑えて座り込んだ
なんというかもう阿鼻叫喚
遠巻きに見ていたクラスメイトは巻き込まれないようにと外へ出て行ったみたいだ
sha「…俺、初めてAに否定された…なんで…?」
そんなDクラスに残された僕ら4人のなかで、ぽつりとシャオロンが口を開いた
少し震えた声で、拳を握りしめて、肩を揺らすシャオロンに寄ると後ろからゾムもちょこちょこと付いてくる
『2人ともちょっと自分客観視してみ、鏡作ったるから、ほら』
zm「な?Aもこう言うてるんやからはよやめて!」
ぽん、と《
乾いた空気を揺らしたのは、パァンという破裂音だった
sha「うそ、嘘やろ、んなわけないやん」
sha「Aは俺のこと否定するわけがないねん」
sha「なんで?なんで、なんで…っなんで!?!」
sha「なぁ、なんで…俺のこと否定するん?」
だんだん強く荒れていく語気に合わせて、背後にひっついていたゾムが驚いて更に僕の背に隠れる
sha「Aはっ…俺のこと、きらいになった?」
蚊の鳴くような小さな声で、彼はそう呟いた
僕へ向いていた目には涙が溜まっていき、焦点が合わない
肩を大きく揺らせて荒く息を吐くのは、上手く呼吸が出来ていないからだろうか
シャオロンは時々、こんな風になる時がある
何かがきっかけで酷く不安になった時とか、少し言い争いになった時とか、数える程度だけど前例がある
こういう時はいつだって伝わりきっていない本心を話すようにしてきた
シャオロンの手を取ってぐっと彼に詰め寄る
僕のことしか見えないように、ちゃんと言葉が届くように
彼の頬を両手で優しく包んで言葉を紡ぐ
『大好きに決まってる』
嘘偽りない本心は目の前の彼に届いたようで
彼の瞳の奥がチカリと光ったように見えた
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仮想話(プロフ) - らっぴょこさん» らっぴょこさん、応援のお言葉とても嬉しいです、ありがとうございます! (2022年3月11日 22時) (レス) id: 4dec9635f2 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこ(プロフ) - 好きです…永遠に応援してます!! (2022年2月20日 2時) (レス) @page31 id: d6878be433 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮想話 | 作成日時:2021年8月23日 21時