箸が転べば僕らは笑った -5-【魔d!】 (ページ17)

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Lead「え？A？…っえー！？なんでバビルスにいんの！？別の学校に入学するって聞いてたのに！！」

『うーわ…そういやお前バビルスか、忘れとった』

Lead「はー！？ひどすぎ！何回も魔イン送ったじゃん！」

入学式のしゃーしーんー！！とカタカタと携帯を弄りながらサッと魔インの画面を突き出してくるリードは「ほら！既読！ついてる！」とぐいぐいと携帯を突き出してくる。

頬に押し付けられた携帯を持ち上げて写真を見れば、たしかにバビルスの前でにこやかに写っているリードの写真があった。

「見たことある気がする」と返せば「既読してるから見てるはずなの！たまには返信もして！」とまたそのまま携帯を頬に突き刺してくる。地味に痛い。

rb「え、ちょ、Aくん…？その人は？」

Jazz「あれ、もしかして知り合い？」

Lead「そうだよ！僕たち従兄弟なんだぁ！」

ガッシリと首に腕を回されて、キラキラと輝く笑顔と共に紹介される。
なんだこれ、さっきまでバチバチにバチってたのに、なんだこれ。

rb「い、とこ？」

Jazz「あ～だから家系能力が感覚系なのね」

「納得ぅ」と朗らかに笑う黒髪の…アンドロ君と、まだよく分かってないと言ったふうに首を傾げるロボロ君。
アンドロ君は完全に休戦の構えをとって雑談に混ざり始めたけれど油断はできない。
ロボロ君には悪いけど、もう少し《泡》の中で居てもらおう。ちゃんと新鮮な空気が取り込まれる機能にしてあるから。

ごめんね、ロボロ君、と心の中で謝りながら首に回された腕を掴んでゆっくりと離していく。

『察するに、窃盗魔さんはリードの知り合いか』

Jazz「窃盗魔ってちょっと…まあ同じクラスだからねぇ」

『リード…お前も問題児(アブノーマル)かよ』

Lead「てかそれより僕ら似てるでしょ！？
って！！ちょ、また解像度上がってない！？」

顔を無遠慮につかんで「整いすぎてて最早怖い域だよ！！」と興奮したように大声を上げるリードに対して「ベタベタ触らんで」と言いながらぐいっとリードの顔を押し返して手を離させる。

Lead「紹介するねジャジー！この僕そっくりの美少年は【ツェーゲルン・A】！基本ドライな才能マンだよ！」

『お前よう心折れんな、一周回って尊敬するわ』

Jazz「…や、なーんとなく似てるの分かるかもなぁ」

ぼそり、とアンドロ君が呟いた瞬間、リードは嬉しそうに顔を綻ばせてまたぎゅっとこちらに抱きついてきた。