＊ ページ9
＊
「こ、ここにおけば良いんですね？」
「そうだよ、早く置いて出ようよ..」
『もうちょっとキツイです...』
げっそりとした表情で恐る恐る祭壇らしきところに人形をのせた。
何も起きなかった。構えていただけに、はぁーっと重いため息をついて足を出口の方向へと向けた。
ここまで来るのにどれだけかかったことか。知らない女の子の声が聞こえたり、後ろから一つ多く足音が聞こえてきたり。全部精神的に来るものばかりだった。
挙げ句の果てには壊れたテレビに映った医者の変死体。
もはや気絶しかけた。
『もうやだ...』
「後でゾムしばくわ俺」
「私もしばきたいです」
歩いているとうっすら出口が見えた。やっと出口か...。
のも、つかの間目の前に、自分の視界いっぱいに血みどろの女の子が映った。
白い肌から流れ出る血と、闇のように黒い瞳。そうしてそんなひどい格好のまま、にっこりと、否、にたりと笑う女の子。
ひ、と引きつった声が声から溢れて、ふらりと後ろに倒れかけた。
「ひぎゃぁぁぁぁぁああああっ！！」
「うわぁああああああっ！！」
『ああ、あ、あ、あばば、』
即座に日生さん...ひとらんさんに手を掴まれ走り出す。
ふらつく足元に気をつけながら出口を走り抜けた。耳元で「ありがと」と聞こえたが、俺はそれにさらなる恐怖を受け、さらに絶叫した。コレは流石にやりすぎでしょ、スタッフさん！
そうやってお化け屋敷から逃げ出た俺は、ふと後ろを振り返った。
そして、また硬直した。
＿＿＿＿＿なぜなら、何もなかったからだ。
目の前の廃病院は見る影もなく、土地管理者募集の看板が立っているだけで。
その瞬間、頭の中を今までの出来事が巡り巡った。
あの、精神的にくる脅かしも、あの女の子も、あの声も、何もかも。
刹那、俺たちは悲鳴をあげて走り出した。
「...お礼が言いたかっただけなのに、驚かしちゃったのかな？」
もう絶対、お化け屋敷なんて行くもんか。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおい(プロフ) - 勝手にリクエストしますね。休みの日に外を歩いていたら女の人に囲まれて偶々通りかかった我々だの皆に勘違いされそうになる話…とか出来てくれたら嬉しいです。 (2019年8月15日 0時) (
レス) id: 17011b32b0 (このIDを非表示/違反報告)
ココア - あの〜、できれば毒素と主君で動物園とか出来ますか．．．? (2019年3月7日 7時) (レス) id: 567bbe9e30 (このIDを非表示/違反報告)
ソトド - わーいヽ(=´▽`=)ﾉ (2018年6月30日 15時) (レス) id: 1f5401cbd5 (このIDを非表示/違反報告)
たこやき。(プロフ) - ソトドさん» 了解です！今日一気にリクエスト消化したいと思ってます！ (2018年6月30日 14時) (レス) id: cf837c4d54 (このIDを非表示/違反報告)
ソトド - 面白いですね(*^^*)リクエストですがラーメン屋さんに行ってる話を見たいです！出来ればまだ出てないメンバーとか出して下さいm(__)m (2018年6月30日 13時) (レス) id: 1f5401cbd5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たこやき。 | 作成日時：2018年6月18日 20時
