【w.r.w.r.d】何もしてません【学パロ】 (ページ22)

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Didn't 21 ページ22

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そう言ってゴソゴソと胸ポケットから取り出したのは小さい黒い機械。
なんだか見たことがないそれに、なんだか不思議な気持ちを抱いた。

ぺ神を見ると、半目で大先生を呆れたように見ている。どうやらぺ神はこの物体を知っているらしい。
ならばと聞こうとした瞬間。鬱くんは間髪入れずに言い放った。

「盗聴器。...見るのは初めてだったかな？」

『えっ』

のんびりとした声とマッチングしない話の内容。盗聴器って、あれ？
ストーカーとか、異常な愛を持ってる人がなんか好きな人の部屋に勝手につけたりとかする、あれ？

ふにゃんと笑みを浮かべる鬱くんが怖く見えて、思わず黙り込む。

「あ、いや、ね？そういう感じじゃなくて、つむぎってなんかナンパに会うの多いから、その対策の一貫としてね？」

『...そ、そういうことにしておきます』

私の反応で何か察したのか、慌てて誤解を解こうとする鬱くん。しかしなんだか怪しさが取り除かれることはない。
むしろ、怪しさは増してる。

「はいはい、じゃあ大先生、続けて」

「あ、せやな！証拠、もう分かったやろ？んじゃ、聞いてみ」

はぁあ、と深いため息をついて促すぺ神に少し緊張気味にその盗聴器に何かのコードを繋ぎ、それにまた自身の携帯を差し込んだ。
そして液晶に映った再生ボタンを躊躇いなくぽん、と押した。

彼の長い爪が液晶にカツンと当たって音を立てる。

それを皮切りに、紛れも無い私の声が流れ始めた。

＊