Hello, my future. ページ44
＊
『...っていうのを思い出してさ』
「うっわまじで懐かしいなそれ...」
談話室。
俺は、昨日見た長い夢について話していた。それは俺がスパイ兼人質としてこの国に来た大まかなあらすじのようなもので、とても長い時間寝ていたような気がする。
いや、実質すごい間眠っていた。起きたら昼過ぎで、書記長にひどく怒られ、書類を倍増された。
これを「解せぬ」というのだろう。
「いやー、でもなんかあの時ほんまツンツンしてたよなー、お前」
『ほんとそれな。反抗期レベルでツンツンしてたわ』
「なのに今はこんな口調も砕けてさ。変わったわー、成長っていうんかな」
目の前で親のようにしみじみと語るシャオロンに、俺は苦笑する。確かに思い浮かべてみれば、最初は誰とも関わろうとせず、常に一匹狼。戦争となると一人で突っ走って、敵部隊壊滅と引き換えに重傷。
不本意ながら俺はここに所属しているんだとばかりの態度で、幹部とのケンカも絶えなかった。一番酷かったのはゾムだったか。一ヶ月ほど続いて、最終的には大げんかで両者重傷。
総統に厳しく叱られ、書記長に厳しく叱られ、こっぴどく処罰を受けた。
『...あの喧嘩以来、喧嘩らしい喧嘩もないんだよな』
「むしろあったら、今度こそお前やばいぞ」
『それは身をもって感じてるから大丈夫』
机に備え付けてある羽ペンをいじりながら、談話を続けていると、タバコをもった大先生が入ってきた。...だが、あのヘラヘラとした笑みはなく、どちらかというと真剣味を帯びた目をしていた。
笑っていることには変わりないが。
「あ、シャオちゃんにAやん。書記長がそろそろ任務やろーって怒ってたで」
『あ、そういえばそれシャオロンに伝えるの忘れてたわ。今日いまから任務ね』
「はぁ！？遅いわバカ！！武器もまだ十分な手入れしてないのに！」
『大丈夫だって、ちゃんとそこはカバーするから。とにかく今は一緒に書記長に叱られよう』
「どっちにしろ嫌やわ！」
＿＿＿＿＿Hello, my future.
Thank you for a wonderful future.
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作者名：たこやき。 | 作成日時：2018年7月31日 22時
