story20 ページ21
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刻一刻と近づく、最初の花火が上がる時間。
一つのシートに二人で座るのは、何処か相合傘に近いものを感じた。
けどきっと、それに胸が躍っているのは俺だけ。
結局は、一人で舞い上がってただけなのかな。
そう思うと、怖くて怖くて仕方ないのに、
いつかは伝えないといけないから、
それがしんどい。
出かける前に、はじめさんから言われた言葉を思い出した。
''絶対に、最初から君を好きにならなきゃ良かった、なんて思う様な事になっちゃ駄目だからね''
もう、大丈夫ですよ。
俺だって、そんなにお子ちゃまじゃない。
はじめさんに心配をかける必要のない人だ。
そう、大丈夫…。
「棚澤さん?」
大きな音と音の間に、Aさんに声をかけられた。
俺、泣いてるのかな。
「大丈夫ですよ。私も少し、怖いです。」
それは、何に対しての「怖い」なの?
聞きたいのに、聞けない。
火花が散ってくる事に対しての「怖い」なのか、
俺と一緒の、「怖い」なのか。
きっと彼女は、前者のつもりで言ったのだろうけど、
少しだけ、後者を期待してしまった俺は、可笑しい?
答えないなんて、狡いよ…
「Aさん、俺…」
───────Aさんが、好きなんです。
聞こえる筈が無かった。
こんなにも大きな音が鳴っている中で。
例え肩がくっつく程でも、掻き消される筈なんだ。
その予定だった。
わざと花火の音で消える様に狙って、
言ったつもりで満足するはずだった。
けど、理想と現実は違う。
だって、聞こえてなかったら、
こんなに貴女は驚いた表情を見せるはずないでしょう?
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So-mei.(プロフ) - Daaaさん» 返信遅れてすいません!私も…書きながらたなっちとの子ども欲しいなぁと思いました(( ありがとうございますー!褒められて伸びるタイプなので嬉しいです笑 また御縁がありましたらよろしくお願い致します! (2020年8月29日 18時) (レス) id: f49ce891b4 (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - 遅くなりましたがご完結おめでとうございました!!最後たなっちくんとのお子さん...想像....妄想するだけでドキがムネムネ...(こら)短編と違って長編は本当に難しいですよね、その中で素敵な作品を作り上げたSo-mei.さん、とても素敵です。お疲れ様でした(^^) (2020年8月26日 6時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
So-mei. - Daaaさん» えっ、寧ろこんなのを勉強して大丈夫ですか?こちらこそ勉強させて頂いてます((素敵な表現、もしかしたらお借りするかもしれませんが…その様なことが無い様に気を付けます!こちらこそよろしくお願い致します^^ (2020年7月6日 20時) (レス) id: 5021305aba (このIDを非表示/違反報告)
Daaa(プロフ) - So-mei.さん» とても読みやすくて私も凄く勉強になりました...(勝手に勉強させて頂いて申し訳ない...)こちらこそ本当に感謝しかございません、今後とも宜しくお願い致します(^^) (2020年7月5日 19時) (レス) id: 4b5c938df8 (このIDを非表示/違反報告)
So-mei. - Daaaさん» ええええ!?あっ、ちょっと待って下さいね?心の準備が…。え、え?ヤバ…。あの、こちらこそ、ありがとうございます。なんか、こんな妄想に塗れた汚い作品読んでもらってありがとうございます…。ブラマジも見てくださってるんですね…!本当感謝。なんかすいません… (2020年7月5日 14時) (レス) id: 5021305aba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:So-mei. | 作成日時:2020年6月26日 18時