畑を耕すことになりました

DAY5 夫婦 ページ7

*


「んぉ、はじめー！
おかえりなさ〜い、お疲れ様」


はじめがほんの少しだけ元気のない顔で階段をのぼってくる。

それにいち早く気づいただいちは
重そうな時計がついたほうの腕をひらりとあげた。


「…ただいまぁぁ」


はじめは疲れた声を出し
ばたり、とソファーに倒れた。


「んぐ…流石は夫婦、推し」


その一連の流れをAは
最近入荷したスマホに収める。


「…ようへいくん
今日もはじだい夫婦は幸せだぁ」


先程録画したものを確認しつつ、
Aはようへいの方に向き直る。





「そ、そっすね」


「おい、勝手に話進めてんじゃねぇぞ」


「だいちくん、まぁまぁ
Aも楽しいみたいだしそれで良くない？」


「やだ」


「……今、俺フられたよね？」



そんな風にいつもの調子で会話が始まる。


「…ようへいくん」


しかし、まだズレている女が一人。


「その表情からして、

幸せハッピーエンド派ではなく
不幸バッドエンド派！！？

ようへいくん…
いい趣味してますなぁ〜」


そう、満面の笑みで言った。


「…………ま、……まぁ」


ようへいはぎこちなく笑った。


「ヤンデレはじめってこと？」


なんてはじめは真剣な顔をして言った。


「それもまた良い」


Aがブイサインを送ると
だいちと寸劇をし始めた。









“ ホントに夫婦組尊い… ”


腐女子の心の叫びが木霊した。

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