[tntm] Part2 ページ27
*
「だ、大丈夫！？
大丈夫なわけないよね…
歩ける？俺、抱こうか？」
駆け寄ってきたトマ坊は
戸惑いつつも、ぎゅ、と抱き締めてくれた。
「トマ、坊…
汚された、俺は汚い。
トマ坊と恋人である資格がなくなった
トマ坊には汚い恋人なんて絶対ダメなのに
やだよ、トマ坊」
俺はトマ坊を自分から離した。
トマ坊はまだ状況も把握できていないのに。
「…どういうこと？
たなっちのどこが汚れてるん？」
純粋な言葉だった。
汚れのひとつもない。
「知らないひとに入れられて
気持ちよく喘いだ俺は汚い、汚いんだ」
自分に言い聞かせた。
トマ坊に失望されるのを恐れていながらも
隠し通すことなんて無理だ。
嘘をつくよりマシだ。
なんて考えて
トマ坊にすがりついている。
「俺はね
たなっちのキスが好き
たなっちの笑顔が好き
たなっちの温かい手が好き
…汚れてなんかないよ
…たとえ汚れていても変わらないよ」
へらり、とトマ坊は笑った。
無垢な笑顔だった。
俺の全てが洗い流されていくようだった。
「でも俺は、トマ坊を抱けない、触れない。
トマ坊は純粋で、綺麗だから」
なんて続けてしまう。
「それはどう証明できる？」
トマ坊はまた、無垢な笑顔を俺に向けた。
「…でき、ない」
ぎゅ、とズボンを握った。
「…じゃあ、大丈夫
触ってよ、たなっち
抱いてよ、たなっち？
俺はたなっちが欲しいんよ」
俺はトマ坊に手を伸ばした。
凄く安心して
汚れなんてどうでもよくなった。
俺の手がトマ坊の頬に触れた。
「…俺は汚れた？」
トマ坊は俺の手に頬をすりよせた。
「トマ坊は綺麗」
俺は顔を近づけた。
「ありがとう」
トマ坊も俺を受け入れた。
受け入れてくれていた。ずっと。
息をするのも忘れてキスをした。
俺は汚れてなんかいなかった。
だって、トマ坊に対する純粋な愛を
忘れたことなんて一度もないんだから。
俺たちの愛は変わらないんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぃ(プロフ) - はじめまして。そして完結&お誕生日おめでとうございます…！更新されるの毎日ワクワクしながら読ませて頂きました…！全部大好きです！！続編全力でお待ちしております！本日はステキな1日になりますように！ (2019年9月15日 12時) (
レス) id: 855d50c0b1 (このIDを非表示/違反報告)
もやし(プロフ) - いつも楽しみに更新を待ってました(*´ω｀*)そして！お誕生日おめでとうございます！短編集にたなとま多く取り入れようかな…笑 続編待ってます！ (2019年9月15日 11時) (レス) id: d70a483de9 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 今まで更新ありがとうございました！そしてお誕生日おめでとうございます！素敵な一日になりますように…！絶対はじだい小説描きますので！続編を待ってます！ (2019年9月15日 11時) (レス) id: 0a2930288c (このIDを非表示/違反報告)
なすび - 玉ねぎさん» 素敵なリクありがとうございました！ヤンデレ書くの下手なのですが…喜んでいただけて嬉しいです！また書きますね！これからもどうぞ宜しくお願いします〜！ (2019年8月21日 1時) (レス) id: c63e5ccc18 (このIDを非表示/違反報告)
なすび - あやさん» 本当ですか！？嬉しいです！はい！ありがとうございます！いつでもお待ちしております！ (2019年8月21日 1時) (レス) id: c63e5ccc18 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なすび | 作成日時：2019年7月1日 2時
