bath time N×M ページ19
「ねえ和、一緒にお風呂入ろっか？」
「え！？いいの！？」
「たまにはね。じゃ先に入ってる〜。」
そそくさとリビングから出て行く後ろ姿の耳が赤くなっているの、見えてるよ。
いつもは嫌がるのにたまに自分から誘ってくれるのは決まって俺が疲れて帰ってきた日で。
本当に可愛くていじらしい俺の恋人。
〈bath time〉
浴室のドアを開けるとそこにはもうお湯に浸かっている潤くんがいて
「あれ？体は？」
「もう洗った。」
「違くて、洗ってくれないの？俺のこと。」
「調子のんなバカ。」
「んふふ。」
白い肌に濡れた髪、少し上気した顔。
すぐにでもキスしたいけれど怒るのが目に見えているからグッとこらえてさっさとシャワーを浴びる。
当の本人は楽しそうに鼻歌を歌っていて可愛いったらない。
早く抱きしめたくて少々適当に髪を洗い体をザッと流すと、前に詰めてもらい潤くんの後ろに座った。
そりゃあ大の大人2人が入ればお湯は溢れてしまうけど
「溢れちゃったじゃん。」
「そうだね。」
そう言いながら後ろからぎゅっと抱きしめた。
「あついんだけど。」
言葉とは裏腹に少し笑ってるのが背中越しでもわかる。
「あったかいでしょ？」
そう耳元で囁くと腕の中の身体が少し震えた。
「耳元で喋んなっていっつも言ってんじゃん…。」
「可愛いんだもん。」
顎を掴み後ろを向かせると潤んだ瞳と視線が絡む。
無意識で煽ってくるんだからタチが悪い。
「…かず？」
…ホントにタチが悪い。
「…ね、ちょっんっ！…ふ…っ…ん……」
風呂場には厭らしい水音だけが響いて、しばらくその唇の甘さに酔いしれていると肩を力なく叩かれた。
「っは……、息、止まるっての……。」
顔を真っ赤に染めて俯きながら呟く。
動作全てに煽られる。
「ちょっと…。」
「ん？」
こんなことをすれば身体はもちろん反応するわけで
「…あてんなよ。」
「あたっちゃうんです〜。」
少し黙ったかと思うと、身体を完全にこちらに向け俺の首に手を回し一瞬だけ触れるキスをしてきた。
唐突な出来事に言葉を失うと
「ベッド行こ…？」
そんなことを呟くもんだから
「…ホント煽りすぎ…。明日歩けなくなっても知らないよ。」
もう一度目の前の真っ赤な果実に口付けた。
_____bathtime.
bath time〈after word〉→←雪の音 Nside 〈after word〉
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちょんた | 作成日時：2019年10月4日 17時
