うたかた2 ANOS×M (ページ17)

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12月25日の朝7時。

耳元で鳴り響く着信音で目が覚めた。

あらかたの予想はしていたけれど、ディスプレイに表示された名前を見て一度深呼吸をしてからタップした。

『…もしもし？ニノ？朝早くにごめんね。』

「いや…うん、だいじょ、ぶ。」

『あの、話したいことがあって。』

「…うん。いいよ。」

『その…翔くんと付き合うことになった。』

「そっか。おめでとう。」

シミュレーションよりもスムーズに言えたと思う。

電話口でありがとうと言う声が本当に嬉しそうで。今きっとすごく可愛い顔をして笑っているんだろうなってすぐに想像できた。

「今電話ってことは何？そのままお持ち帰りでもされちゃった？」

少しおどけた風に問いかけると

『バッカ！そんなんじゃないし！』

その答えにちょっとホッとしてる俺がいる。

「何？翔さんクリスマスだってのにキスもしてこなかったとか？」

『や、それは…。もう！いいからそんなの！』

「んふふ。ごめんごめん。でも本当おめでとう。お幸せに。」

「ありがとう、ニノ。」

ニノもね、最後にそう言われて電話を切った。

どうやら今年はホワイトクリスマスらしい。

ベランダに出ると雪がいまだに降り続いていた。

肌に触れる冷たい温度が気持ちいい。

さようなら俺の初恋。

「あ…。雪の音がする。」

_____雪の音 Nside.