うたかた2 ANOS×M (ページ12)

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結局バス停に着くまでずっと無言で。

椅子に座っても繋いだ手を離されることはなくて。

心臓が煩い。

なんで手なんて繋いだの？

なんで送るなんて言い出したの？

聞けばいいのに聞けない。

良いほうに捉えようとする俺がいる。

ダメだよ馬鹿、冷静に考えろよ。

クリスマスだからって夢見て良いわけじゃないんだから。現実を見なきゃ。

「なぁじゅ「そういえばさっ」

翔くんの言葉に被せ気味で話しだした。

「俺と同じ学科の子がさ、学祭の演奏見て翔くんのことかっこいいってさ！それで紹介してって言われちゃったよ！」

目を見たらきっと上手く笑えないから、翔くんの顔を見ないように振り続ける雪を見つめたままで。

「…お前はさ、その子と俺にくっついて欲しいわけ？」

「だって、さっき翔くんも彼女欲しいって言ってたでしょ？その子結構可愛いしさ性格も良いし。きっとお似合い…」

手に感じていた温もりが消えて思わず翔くんの方を見つめると、なんだかすごく険しい顔をしていた。

「…帰るわ。」

「え、ちょっと待って翔くん！」

急に立ち上がり歩き出した翔くんの背中を慌てて追いかけ、腕をぎゅっと掴む。

俺の手を振り払うわけでもなく、それなのに口を開くわけでもない翔くんに不安が募る。

…何か気に障ったかな？

「…翔くん？ごめん、俺なんか嫌なこと「お前はさ、俺に彼女が出来ても平気？」

「…え？」

「おめでとうって言ってくれんの？」

…そんなの言えるわけないじゃん。きっと苦しくて苦しくて仕方ないよ…。でもそんなこと言ったって翔くん困るでしょ？だから俺はさ

「…もちろ「俺は無理。お前が誰かのものになるとか考えるだけでムカつく。」

「………何…言って…。」

意味わかんない。
どういうこと？俺は翔くんほど頭良くないんだから。ちゃんと教えて…？

さっきよりも心臓が煩くて翔くんに聞こえてしまうんじゃないかって、そう思った。