#79 ページ33
「ねえヒロ！この前の日曜日、女の子と遊園地に遊びに行ったって本当なの？そのお話、詳しく聞かせて！」
大学内にあるカフェテリアの賑わいを助長するように、身を乗り出したハニーが声を弾ませた。
「はあ…？何なの、いきなり」
「隠そうったって無駄だぜ？俺たちゃ知ってんだぞ〜、ヒロ！」
続いて隣に座るフレッドが、詮索するような意地の悪い目つきで僕の目を覗き込んでくる。
眉をひそめながら視線をよそに向けると、ちょうど正面に座っているワサビと目が合い、そしてすぐに逸らされた。
「ちょっと待ってよ。なんで突然そんな話になるわけ」
「たまたま日曜日に遊園地に来てた私の友達が言ってたの。
"私達より随分年下のロボット工学の天才くん"なんて、あなたをおいて他にいるかしら！」
ハニーの声につられて、フレッドもうんうんと勢いよく首を縦に振った。
「あんたたち、さっきから言うことが野暮ったい」
話にはまるで興味がないと言った様子でずっとスマホを触っていたゴー・ゴーが、しびれを切らしたのか突然会話に口を挟んできた。
ゴー・ゴーがこの話題にさして興味を示さなかったのは、その性格ゆえもあるだろうが、彼女が既にその事実を知っていたからということもあるだろう。
デザイン工学を専攻する彼女の助けになればと思い(単に僕の気まぐれではあるけど)、遊園地で撮った写真をいくつか添付したメールを彼女に送信したのは、ちょうど今朝のことだ。
ゴー・ゴーは僕に「ありがとう」とだけ返して、それ以上踏み込んでくることはなかった。
「そうだよ。それに、根拠もない話を鵜呑みにするなんて、科学を志す人間にあっていいことじゃない」
「ところがどっこい、根拠はあるんだよなあ。な、ハニー」
ゴー・ゴーに味方をされて勢いづいた僕の言葉を遮るように、フレッドも負けじと得意げな表情でそう言ってみせた。
「え、でもフレッド…アレのことは…」
ハニーがフレッドに小声でそう耳打ちするのを、僕は聞き逃さなかった。
間髪入れずに、僕は低めの声で詰問する。
「アレって何」
「お、おいフレッド…！」
するとフレッドは、ハニーとワサビの制止をよそに自分のスマホをすいすいと操作し、その画面を僕に向かって勢い良く突きつけた。
同時にふたりが絶望的な表情を浮かべる。
何故か突然に重たくなる空気に疑問を覚えながらも、僕は突きつけられたスマホの画面を覗き込んだ。
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みにょん - ドキドキしっぱなしで一気に読んでしまいました。すごく読みやすい文章で主さんの文章力に脱帽です。また気が向いたときにでも続きを書いていただけるとうれしいです(т_т) (4月9日 23時) (
レス) @page50 id: 0b8338cd33 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 最近見てみたら凄くハマって！！、続きを待っています! (12月28日 22時) (レス) id: 8c0883e968 (このIDを非表示/違反報告)
きを - 愛してます。一生更新待ってます。 (12月11日 8時) (レス) @page50 id: afeed903d8 (このIDを非表示/違反報告)
あぽろ(プロフ) - 最近ディズニーのハモカラみてベイマ再熱してこの作品という神作品に出会えました、、、なにとぞ、更新をいつまでも待っています、、、、 (9月27日 23時) (レス) @page50 id: ebcad6c5f5 (このIDを非表示/違反報告)
ame(プロフ) - 更新を…待っています…なにとぞ… (8月16日 13時) (レス) id: 7d07391b49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たーた | 作成日時：2015年2月9日 23時
