【HQ】# 治くんのいる生活

治くんとバイト ページ5

・




「うわっ！いや、何でおるん......？」

「迎えに来た」


焼肉屋のバイト終わりに帰ろうと店を出たら治くんに後ろから肩を組まれた
差し出された袋を除くと、お気に入りのミルクティーとアーモンドチョコが入っている

確かにこの間一緒に帰った時に焼肉屋でバイトしてるとは教えたけどそんな急に来るなんて予想できるわけない




「ありがとう、でもほんまは何かあったんちゃうん？」

「何もなかったら迎えに来たあかん？」


きれいな顔に見つめられて何も言えず思わず口をつぐむ、あまりにも顔がよすぎる


やっとのことで、だめじゃないです、と答えたら、くすっと笑って手をからめとられて
所詮恋人繋ぎってやつだ




「でも理由もないのに来てくれるなんて、めっちゃ私のこと好きみたいやな、自分」

「せやで」


「えぇ......、ほんまになんなん............」


治くんをからかおうとおもったのに、逆にからかわれている、本当にこの人は読めなくて困る



「治くん、私のことなんか興味ないと思ってたのに告白受け入れてくれるし、意味もなく迎え来るし、ほんまわからんわ」

「ならこれから知っていけばええ」



夜はあぶないしな、と私の手を引く治くんの耳がちょっとだけ赤くなっているのを見て、すごく愛おしくなって

繋いだ手をバレないようにでも強く握りなおした




・

治くんと夏休み→←治くんと下校

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す