治くんと夏休み ページ6
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校長先生の長く堅苦しい言葉を、暑い体育館で聞くという半ば拷問を乗り切り夏休みに入った
HRが終わった教室でガヤガヤとクラスメイトが話す声を背に帰る準備をしていた途中、隣の席の子から肩を叩かれる
「なあ、宮くんがAちゃんのこと呼んでるで」
「どっちの宮?」
「クラス違う方」
あっこ、と指差す方を見ると、教室の入り口で私に見られたことに気づいた治くんがひらひらと手を振ってきた
教えてくれた子にありがとう、と言って、治くんの方に向かう
何か約束していたかな、と考えるけど全く思い出せない
「どした?」
「今日部活無くなってん」
「そうなん」
「やから一緒に帰らへん?」
頭をこてん、と傾ける治くんは自分の見せ方を分かりきっていて、不覚にもそれをかわいいと思ってしまう自分が悔しい
「いつも治くんは急やねん」
「でもそんな俺のこと好きなん自分やん」
「教室の出入り口でするような話ちゃうから」
なかなか最初の質問に答えない私に
それで一緒帰れんのか聞いてんねん、という治くんは痺れを切らして、ちょっとイラッとしているみたい
でも、なんで治くんがイライラしてんの、普通振り回されてる私やろとは決して言えない
「.........ええよ、一緒帰ろ」
私が誘えば一緒に帰るなんてきっと分かってたのに、満足顔になる治くんを見たら何でも許してしまうのは内緒だ
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手羽先(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張ります! (2019年10月13日 22時) (レス) id: 8e4e330e27 (このIDを非表示/違反報告)
あ - なんていうかとても心があったまる小説です。読んでてこっちまで幸せになるような小説で読んでて一緒にニヤニヤしちゃいます。これからも応援してます。頑張ってください! (2019年9月23日 18時) (レス) id: 7f70572540 (このIDを非表示/違反報告)
手羽先(プロフ) - ぱにーにさん» 本当〜にうれしいです( ; ; )ありがとうございます( ; ; ) (2019年4月25日 16時) (レス) id: 8e4e330e27 (このIDを非表示/違反報告)
ぱにーに - はじめまして。この小説の始まり方がすごい私の好み過ぎるんで慣れない感想を書かせて頂きました笑新しい推しの世界を教えてありがとうございます!完結に向けてこれからも頑張ってください!応援してます! (2019年3月31日 21時) (レス) id: 66662d22a2 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。大変助かりました。 (2019年3月30日 23時) (レス) id: 8e4e330e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:手羽先 | 作成日時:2019年3月30日 23時