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壁の肖像画「それで?君たち誰かを探しているのかい?」





たった数分の間で、しゃべる肖像画の存在を認めたグリムは、肖像画の問いに答えた。





グリム「エースってヤツを探してるんだゾ。顔にハートが描いてある、もさもさ頭のヤツ!」





グリムの説明は確かにエースの特徴を捉えていた。



だけど私はどうでもいいところに引っかかってしまった。



あれはもさもさ頭なのか…?つくつくの間違いでは?いや、でも、ん〜………。



そんなことを考えている間もグリムと肖像画の会話は進む。





壁の肖像画「ああ、知っているとも。今日から入ってきた新入生だね。少し前に寮へ戻って行ったようだけど……」





グリムの読み通り、エースは罰掃除から逃れるため寮へ逃げたか、それともただ単に忘れてしまったのか。



私の知っている彼なら後者は絶対にありえない。なにがあってもだ。



と言うより、学園長から下った罰則を忘れるだなんて、そんな都合のいい話はない。



むしろ学園生活の思い出の1ページになるくらいの話だと私は思うのだけど。





グリム「にゃに〜!あの野郎やっぱり逃げやがったんだゾ!どっちに行ったかわかるか!?」



壁の肖像画「寮への扉は東校舎の奥さ」





この学校の地図どころか、東西南北すらまだしっかり分かっていないのに、東校舎と言われても…。



そう思ったが、3人のうち1人はそんな考えを微塵も持っていなかった。





グリム「ユウ、A、追いかけるんだゾ!」



ユウ「あっ、待ってよグリム!?あ、あの!肖像画さん、ありがとうございました!!」





走り去っていくグリムを急いで追いかけるユウくん。



そんなユウくんの後ろ姿をぼーっと見つめていた。





壁の肖像画「おや、君は追いかけなくていいのかね?」



『さっき走った時に足を痛めちゃって、走りたくても走れません』





ぴきっと度々に来る痛みに、顔を歪めてしまい、肖像画に苦笑いを向けた。



ユウくんに心配をかけまいと、つい隠してしまったのだ。





壁の肖像画「そうかい。それはお大事にしてくれ」



『お気遣い感謝します。では私は野生の勘だけで走って行ったヤツを追うので、これで失礼します』





肖像画に向かってお辞儀をした私は、2人が走っていった方へ足を動かした。





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白凪(プロフ) - 桜彩さん» コメントありがとうございます!!現在更新を一旦お休みしていますが、続きの執筆はしておりますのでもう暫くお待ちください!頑張ります! (2020年9月25日 17時) (レス) id: 1e53dde95c (このIDを非表示/違反報告)
桜彩 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年9月24日 23時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
白凪(プロフ) - 「 」さん» ありがとうございまーす!!この先も夢主ちゃんには沢山の選択しなければならない場面が出てくるかと………!続編も頑張っていきます! (2020年8月27日 13時) (レス) id: 03f781a71d (このIDを非表示/違反報告)
「 」(プロフ) - 続編おめでとぉぉぉぉ!!!!!エースくんが出てきて逃げる選択肢取るのはこれから先どうなってくのか楽しみで仕方ない!!! (2020年8月27日 13時) (レス) id: e81c17c75a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白凪 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hsn145sfam1/  
作成日時:2020年8月27日 3時

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