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先に入っていてください、という学園長の言葉に焦りと不安を感じ始めた。
ここまで好奇心で埋め尽くされていたため、一気に襲ってきた感情に身体は正直で汗が溢れる。
『行かなきゃダメなのにぃ.........
一人でなにがするのって本当に苦手、怖いって。
もう1人くらい道ずれで連れて来てくれたって良かったじゃんかぁ』
いくらグチグチ言ったところで変わらない状況。
仕方が無いのでまずは扉に耳をつけて音で中を把握する作戦に出た。
『ちょっと聞こえにくいけど...』
ワイワイガヤガヤしている様子からまだ寮決めの途中である可能性が高い。
だが、まだまだ慎重に物事を進めたいので今度は扉を少し開けて隙間を作り覗くことにした。
『...見えにくい』
1年生と思わしき人達がまだ長い列を作っている。
その横には寮長だろう人物の後ろに列の先頭から寮の決まった子が後ろに着いた。
これならひっそりと紛れ込めるっ!
そう思った私は音を立てないよう慎重に慎重に忍び込み、列に並んだ。
心臓がうるさいままだけどこれで少しは安心だ。
セーラー服の上から身を包むのは式典服。
お陰で少し着膨れしている感じはあるが、この際どうでもいいと思っている。
見た目を気にしたいけど、それを気にできるほどの余裕を今は持ち合わせていないからだ。
あとどれくらいで自分の番になるだろうか。
少し躊躇いながらも前の人の裾を引っ張った。
「あぁ?」
『ヒョエッ...』
どうやら獣人さんでした。
よく見れば目の前に尻尾あるじゃん。
「なんだよ」
『あ、えと、ごめんなさい。
あとどれくらいで最後尾まで順番が来そうなのかお尋ねしたくって...』
何せ身長が低いもので、と言えば察してくれたようで優しく丁寧に教えてくれた。
「多分あと8分くらいだ」
『ありがとうございます』
自分の番が先か、学園長の方が先か。
色々心配しすぎて腹痛を感じた。
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白凪(プロフ) - さやたんさん» イラストの方から飛んできてくださりありがとうございます!!結構な自己投影(美化)作品となっているため、面白みが感じられないかと思いましたがそう言ってもらえてとても嬉しいです!!亀更新ですが頑張ります!!(ちなみに推しはレオナなのです.....!) (2020年8月7日 7時) (レス) id: 03f781a71d (このIDを非表示/違反報告)
さやたん - 白凪様の絵を見てたら。こちらの小説があると知って飛んでまいりました。凄い面白いです!!!更新頑張ってくださいー推しって誰ですか? (2020年8月6日 23時) (レス) id: 3595494de5 (このIDを非表示/違反報告)
白凪(プロフ) - 「 」さん» ゆっくりだけど書いていきます!! (2020年8月4日 22時) (レス) id: 03f781a71d (このIDを非表示/違反報告)
「 」(プロフ) - つ、続きが……気になりすぎる…… (2020年8月4日 22時) (レス) id: e81c17c75a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白凪 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hsn145sfam1/
作成日時:2020年8月4日 21時