ep15 ページ16
Aside
ウヨンに来ないでって言っちゃった…
弱い姿を見られるのも、優しくされるのも、何もかもが嫌になってしまって思わず言ってしまった。
本当はそばにいて欲しかった。
だけど今さらナースコールを押してそんなこと言えない…
そう思っていたらヨサン先生が来た。
ヨサン 「…ちょっと楽になった?」
A 「…コクン」
ヨサン 「良かった。先生もAが嫌なことしたくないし、させたくない。」
A 「…」
ヨサン 「Aのことだから採血が必要なことだって分かってるよね。だけど、頭が追いつかない時もあれば体が動かない時もあるし、両方ついていかない時もあるよね。」
A 「…」
ヨサン 「そんな時こそ先生とか看護師さんに頼って。」
ニコッと笑いながら話すヨサン先生はとても優しかった。
そして、ふといつもと服が違うことに気づいた。
A 「せんせ……ふく、」
ヨサン 「あ、気づいた?さっき大学で勉強教えてきたんだ。で、その時の服の上に白衣羽織ったの。」
A 「…ふんいき……ちがう…」
ヨサン 「そういうこと。気づいてくれたのちょっと嬉しいな。」
そう言うと嬉しそうな顔をした。
いつもは紺色の服を着ているが、今はグレーのニットを着ていた。
ヨサン先生と色んなことを話していると気持ちが少し落ち着いていた。
ヨサン 「先生もウヨンもいるからさ。ちょっとだけ採血頑張ってみない?」
A 「…コクン」
ヨサン 「痛かったら痛いーって言っていいし、泣いちゃっても大丈夫。先生ちゃんと受け止めるから。」
A 「……うん、」
51人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:@ | 作成日時:2023年10月5日 14時