【進○の○○】兵長様は旦那様っ！！２

52話 ページ13

リヴ ァイside


壁内についた時には雨が降っており、民衆の誰ひとり外に出ている者はいなかった。

雨はものすごく強くて、壁外に居たときとは全く違った。

この状態では、いずれにしろ壁外調査は中止だっただろう…

その時の空模様はまるで俺の心を表しているような、重く暗い空だった。

リ「A…」

空に向かってそうつぶやいてみるが、その声は雨とともに流された。








本部に戻ると俺はシャワーも浴びずにAの元へと向かった。

部屋の扉を開けると、消毒液のにおいが俺の鼻をかすめた。
ベットには点滴をして眠っているAの姿が…

その横には花瓶に入った色とりどりの綺麗な花が。
いかにもAが好きそうな花ばかりだった。

ベットの横にある椅子に腰かける。

Aの服はもう血だらけではなく真っ白で綺麗な服をきており、顔についていた血も綺麗になくなっていた。

俺はそっとAの頬へ手を添える。
その頬は雨のせいで冷たい俺の手を温めるような温かさだった。
いや、本当はAの頬も冷たいのかもしれない。
けれど、俺の手はそんなAの頬よりも冷たかった。

今はそんな、かすかな温かさでも生きていることが伝わる。


お前がもし死んでいて、俺の手より冷たかったら…
俺はどうなっていただろうか…
意識のない今でさえ、こんな状態だ…
きっと俺はおかしくなる…

お願いだ…
早く目を覚ましてもう一度あの笑顔を見せてくれ…

もう一度俺の名前を呼んでくれ…

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