名探偵の弟は特一級異能力者らしい

名探偵の弟は笑うらしい ページ35

「あ、貴方は」

おっと、辻村忘れてた

『お嬢さん、急にすみませんでした。今宵はもう遅いですからお気をつけを』

そういってお辞儀すれば辻村は言いにくそうな表情をする

ああ……矢っ張り知ってたのか

『……って言うのは胡散臭いからやめよっか〜』

「矢っ張り貴方だったんですね、Aさん」

『……万屋だよ。その一貫』

そう誤魔化せば腕を掴まれる

「貴方は、なんでも隠そうとしますね！私は貴方の見張りです。知る権利があります」

『……僕は……』

腕か微かに震えてしまう

誤魔化さないと

必死に笑って息を吸う

『君にはまだ話せない。君を信じてないから』

そういえば辻村は黙って俺を見る

「……わかりました。絶対に話してもらいますよ」

『いや〜〜わかってない』

そう言って苦笑いする

なんだかまだ信じられない

先刻兄さんの事が思い出す

そう、もう少し待ってくれないと

俺は臆病者だからな

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