名探偵の弟は特一級異能力者らしい

名探偵の弟は心を開かないらしい ページ27

辻村said

「綾辻先生！」

Aさんが準備すると言って部屋に篭ったのを確認して私は綾辻先生の名を呼ぶ

「なんだ、辻村君、礼儀がなってないぞ？また調教か？」

「違います！Aさんの過去を教えなさい！」

そう言うと、綾辻先生が冷ややかな目で見てくる

「それが人に聞く態度か」

「でも、私は貴方の見張りです！これは命令です！」

「嫌だな」

「そんな〜」

そう言って頰を膨らます

「辻村くん、言いましたよね？あまり探るなと」

「坂口先輩！でも幾ら探してもAさんの過去が出てこないのです」

そう言うと坂口先輩は一度綾辻先生と目配せして頷く

「貴女は信頼できない人に自分の事を話せますか？」

「無理です！」

「彼もそうです」

「Aは色々あって人より警戒心が強いんだ」

「でも、普通に口説いてきますよ？」

今日の朝も口説かれたし暇さえあれば街中で口説いていた

「口説いているから信頼している訳ではありません。彼ならの一種の防御でしょう」

「防御？？」

「……嫌われるか好かれるだったら彼は好かれる方を選びます。例え嘘でも」

？？？？？？？？

「…………？」

「分かってないぞ」

「はあ、仕方ありません。言うならば彼は貴女を少し信頼してます」

「……え」

「もう少し待ってやれ、彼奴の口から聞けるまで待てればな」

そう言って綾辻先生は仕事机に向かう

……うっそ！信頼されてるんだ〜

「……(絶対に今辻村君は嬉しがってますね)」

「……ふ(単純だな)」

名探偵の弟は猫探しらしい→←名探偵は悩んでるらしい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す