SURVIVAL (ページ27)

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Yuri side.

必死に草をかき分けて進んでいき、ひかの後ろ姿が見えた。

「ひか！ゆーてぃ！」

名前を呼んで2人の元に駆け寄る。
ひかがゆーてぃの腰のあたりをタオルで押さえていた。そのタオルは半分ほど赤く染まっている。

「どうしたの、その怪我」
「ちょっと掠っちゃった」

でも大丈夫だよ、とゆーてぃは僕を安心させるように笑顔を見せた。

前方から涼介たちが走ってきて、すぐに雄也たちも姿を見せた。

「知念。薮ちゃんが連れ去られた時の状況、詳しく教えて？」

大貴が僕の隣にしゃがんでそう言った。

「……4つめのフラッグを見つけて撃ったんだ。そしたら…どこからか捕獲ネットみたいなのが飛んできて……宏太の手を掴んで抵抗したんだけど、そのまま引きずられて行っちゃって」

早く逃げろと叫んだ宏太の顔が忘れられない。

「宏太は僕をかばって捕まったんだ…だから…」

「知念。あんまり自分を責めるなって」

雄也がそっと背中を擦ってくれた。

「大丈夫だよ。絶対見つけよう？」

涼介にそう言われ、僕は涙をこらえて、ただ頷くことしかできなかった。

レーダーからまた、一つ点が減った事に気づきもしないで。