SURVIVAL (ページ25)

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断続的に聞こえていた破裂音が止んだ。
目を開くと近くの地面は何カ所か抉れていた。

少し先には、きつねを守るように胸に抱え、地面に倒れている裕翔が見えた。

「裕翔！大丈夫か！」

慌てて駆け寄って裕翔を助け起こすと、裕翔は「大丈夫」と顔をしかめてそう言った。
きつねは裕翔の腕の中でもぞもぞと動いていた。

「じゃあ、頼んだよ」

裕翔がそう言ってきつねを地面におろすと、二匹はさっと走っていってすぐに草の陰に消えて行った。

「ごめん、寄り道して。フラッグ探そうか」

木の幹に手をついて立ち上がった裕翔が言った。

「怪我してないか？」

「……ちょっと掠っただけ」

「本当にちょっと？」

俺はそう言って裕翔の左腰を押さえると、裕翔は一瞬顔を歪めた。

「歩けるか？ここじゃ遮るものもないから、ターゲットになりやすい」

「大丈夫、歩けるよ」

肩を貸しながら大きな岩陰にまで移動し、地面に寝かせてタオルで圧迫する。

「さっききつねに、頼んだ、って言ってたけど。何を頼んだんだ？」

すると裕翔は、じっと俺を見つめた。
何か重要な事を言われるような気がして身構える。

「秘密」

裕翔はそう言って、いたずらっぽく笑みを浮かべた。

「なんだよそれ」

思わず気が抜けて表情が緩んだ。

嬉しかったんだろうな。裕翔、動物好きだし。
この状況下でも、それが垣間見えたのが何だか微笑ましかった。