ピンクレモネード。2《 iw × sk 》

Episode : 078 ページ28

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誰も何も言えないでいると、舘さんら「あのね」と口を開く。



dt「......この間のことで、俺何やってんのかなって思ったはあるかな」

iw「え...？」

fk「どゆこと？」

dt「期末試験の時も、阿部がみんなの士気を上げて結局全員が成績を上げられた。今回のことも、誤解とはいえ彼は大事な仲間のためにあそこまで怒りを露に出来る。そういう姿って、俺にはないなぁって...だから、むしろ阿部に生徒会長をやってほしいって、素直に思ったんだ。だから、照も、自分の気持ちをちゃんとあの子に伝えて欲しい」

iw「......舘さん...ありがと」



舘さんって、素直にすげぇと思った。周りのこと考えてるのに、ちゃんと自分の思ったことは真っ直ぐ言葉にする。俺にとったら凄く難しいことだと思っていたのに、舘さんはそれを実行してる。

きっと、芯の強い人って、こういう人のことを言うんだろうな。



だけど、唯一納得出来ず、渋い顔をするのが1人いた。




nb「......涼太だって、阿部にはないところいっぱいあんだろ。そういう他人思いなとことかさ、真っ直ぐなとことか」

dt「ありがとしょうた。でも、もう決めたから」

nb「良くないよ！全然良くない！！」

dt「......それとも、生徒会長にならない俺は、嫌？」

nb「......へ？」




舘さんからの思わぬ言葉に、しょうたが拍子抜けしたような声を挙げた。しかしすぐ舘さんは「なんでもいいよ」と笑った。



dt「生徒会の役員としては残るから、成績にも多少上乗せしてもらえるだろうし、まぁ今回は文化祭思い切り楽しむつもりだから、3人ともよろしくね」

fk「っしゃ、じゃあ今年は4人で回って全店舗制覇してやろうぜ！」

iw「お前、切り替えはや」

fk「だって暗い顔してたってしょーがねーだろ！なぁしょうた！」

nb「え？あっ、おう...」

dt「ありがとう」



舘さんが最初に言った「大丈夫だよ」という言葉の意味が、ようやく理解出来た。自分が下りることを決めていたから、派閥なんか気にしなくて素直になって大丈夫だよ、ってことだったんだよね。

......あぁ本当、俺は友達にも恵まれてる。


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