ロマンスが降り注ぐ。《 Koki.Kuroda 》 (ページ35)

今日:6 hit、昨日:23 hit、合計:73,990 hit

#035 ページ35

･

黒田くんと歩く帰り道。

さっきの空き教室でのことを思い出すと、まだ頬が熱くなる。

靴を履きながら、でもハッとする。

__________......あれ？でも、私好きってちゃんと結局言えなかったし、黒田くんも好きな子って言っただけで...付き合ってとか、そういうことは言われてないけど...今どういう状況？

「なに？まだなんか考えてんの？」

『あのっ......え、と』

でも、今更蒸し返して萎えるんじゃないか、とか不安になる。曖昧だけどこのままなんとなく傍にいていいのかな...と頭の中をぐるぐるしていた。

そしたら、黒田くんはそっと手を伸ばしてきたかと思えば私の頭を撫でた。

「言ったやん、なんでも言ってって」

『......わ、私たちって...つ、付き合ってる、の？』

「......Aちゃんって、時々大胆よな」

わー......失敗した、失敗した！

やっぱり聞くべきじゃなかった...恥ずかしすぎて真っ赤になる私に、黒田くんは小さく笑ってから、手を握った。

「ちゃんと言葉にした方がいいよな......改めまして、好きです。俺と、付き合ってください」

『......は、はい』

「んじゃ、帰ろっか？送ってく」

『うん......！』

ぎゅっと繋がれた手が、こんなにも嬉しい。温かくて幸せで......嬉しくてそっと見上げたら、黒田くんは嬉しそうに笑う。

「めっちゃ幸せ！」

『......私、も』

･