#034 ページ34
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『__________......え？ええっ?!』
「こんな時に言うつもりなかったんだけどさ......だから、元気がないなら俺が笑顔にしたいし、悩んでるなら俺が力になりたい。でももし、俺の行動とかで困らせてるんだったら......嫌だけど、近づかないように努力する。だから、なんでも言ってよ」
勝手に、チャラチャラした人なんだって決めつけていた。1番最初に出会った頃は、自分には縁のない人だって思って関わらないだろうなんて。
いつからだったんだろう。
誰よりも仲間想いで優しくて、黒田くんの暖かさに触れた。
たくさん笑って話して、だけど言葉を拾ってくれてその輪の中に引き込んでくれる。
そんな黒田くんのこと、好きになっていたの。
『......この前、』
「うん？」
『渉くんと、黒田くんが話してるの聞いちゃって...』
「え？何の話？」
『く、黒田くんが......好きな子が、いるって...それで、苦しくて、避けてた...』
「......ちょ、待って。え？それって......」
自分で言ってて、恥ずかしくなった。だってこれって、遠回しに好きって言ってるようなもんじゃん......恥ずかしさから黒田くんの顔が見れなくて、両手で顔を覆う。そしたら、いきなり肩をグッと引かれたと思えば、黒田くんの腕の中。
「そんなん言われたら、俺バカだからすぐ勘違いするけど」
返事の代わりに、震える手で背中を掴んだら、今度は苦しいくらいに抱き締められた。
幸せすぎる余韻が包み込むように、オレンジ色の陽に包まれた。
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作者名：時雨
| 作成日時：2022年9月19日 19時
