#017 ページ17
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檜山くんの隣の席になってからというもの、ほとんど休み時間毎に黒田くんと渉くんがやって来るので、私の周りはちょっとだけ賑やかになった。もちろん、毎回話し掛けられるわけじゃないんだけど、それでも時々声を掛けてくれて輪の中に入れてくれるのは嬉しかった。
でも、彼らは陽キャ集団。おまけにイケメンで人気者。
私のことを、面白くない人だっている。
「Aさんさぁ、黒ちゃんとかと仲良いよね！いつから？」
『えっ...いや、そんなことは』
「優しいから、1人でいるの放っておけなかったんだろーね」
「もしかして、ワザとやってたりして。うわ、あざと！」
『そ、そんなんじゃ、』
体育を終えて教室に戻ろうとしたら、廊下で囲まれてしまった。今日は男女で別の授業だったから、2クラス合同でキラキラ可愛い女子たちに声を掛けられた。最初は友好的で「黒ちゃんのお気に入りちゃんだぁ」なんて言われただけだったんだけど、だんだんと妬みが混ざってくる。
どうしよう、こういう時ハッキリ言えればいいんだけど...強く言えない。
......と、突然どこからか「なにやってんの」と声が聞こえて顔を上げた。
「わ、渉くん......」
「そんな大勢でなにやってんのって聞いてるんだけど」
「別に？渉くんに関係な」
「あっそ。じゃあ黒田と檜山に言うから」
「......っ、なによ！いこ！」
黒田くんと檜山くんの名前が出た途端、顔色を変えて離れていく彼女たちに呆気に取られた。そのまま、渉くんも歩いて行こうとしたから、慌てて後ろを追いかける。
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作者名：時雨
| 作成日時：2022年9月19日 19時
